現代社会では精神・神経疾患の患者数が爆発的に増えており、その予防・治療法の確立は急務である。これまでにもそれらの疾患に対する治療薬は開発されているものの、大きな副作用が生じる可能性があること、さらに、根治が困難であることが課題として残っている。本研究で着目している脂質は脳に豊富に含まれており、その量的・質的な制御は機能維持に重要であることが知られている。Elovl6による脂肪酸組成の制御は、脳・神経の研究における新しい概念の提唱とともに、特定の神経を標的としない予防・治療法の開発に有用である可能性が示唆され、その社会的意義は大きいと考える。
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