研究課題/領域番号 |
22K17789
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
宮崎 翔平 広島国際大学, 薬学部, 助教 (20911936)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | RasGRP2 / Acanthopanax senticosus / 血管内皮細胞 / オートファジー |
研究実績の概要 |
血管内皮細胞でのオートファジーの機能不全が高血圧や糖尿病などにおける血管障害の進展に関与していることが報告されている。このため、オートファジーに関連する分子や天然物由来成分の探索は、血管障害の予防・治療方法の開発において重要であると考えられる。また、古くから健康増進に用いられており神経系などで細胞保護作用を示すエゾウコギの血管内皮細胞への影響については十分に明らかにされていない。さらに、グアニンヌクレオチド交換因子であるRasGRP2は、血管の安定化に寄与するタンパク質して知られている。本研究では、オートファジーと血管保護因子RasGRP2に着目して細胞内シグナル伝達経路を解析することで、エゾウコギエキスの血管障害に対する新規治療薬としての可能性を探索することを目的としている。2023年度は主にオートファジーフラックスに対する影響の解析、生細胞でのオートファジーの蛍光イメージング解析を行う予定であった。 エゾウコギエキスの低酸素条件下での細胞生存能について検討を行った。一定の濃度以上で有意な細胞生存能の改善が見られた。しかし、RasGRP2過剰発現株とMock株との間で有意な変化は見られなかった。また、LC3βⅡを指標にしたオートファジーの評価では、Mock株においてエゾウコギエキスによりわずかながらオートファジーを減弱させることが明らかとなった。低酸素環境下での細胞生存能及びオートファジーへのエゾウコギエキスの効果が予想よりも弱かったことから処置条件の再検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当時想定したよりも低酸素環境下での細胞生存能やオートファジーへのエゾウコギエキスの効果が弱かったため処置条件の見直しを進めており、2023年度に予定していた生細胞でのオートファジーの蛍光イメージング解析は実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
継続して処置条件の見直しを行い、オートファゴソーム及びオートリソソームの蛍光イメージング解析を進めていく予定である。エゾウコギエキスの作用メカニズムを検討するため、RasGRP2の発現量やそのシグナル下流分子であるPI3K, Akt, R-Rasの活性化について解析を行う。
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