ノックダウンすることでグリア細胞から神経系細胞を誘導できるPtbp1遺伝子の発現を阻害するプラスミドを、経静脈的投与により血液脳関門を通過し感染が可能なカプシドでパッケージングしたアデノ随伴ウイルスベクターを脳梗塞モデルマウスに投与した。投与8週目の新奇物体探索試験において、Ptbp1 KD群では新奇物体に対する接触時間の有意な延長を認め、認知機能の改善が見られた。また、海馬mCherry陽性細胞で、mCherry/NeuN二重陽性ニューロン様細胞が確認された。この海馬における新しい神経系細胞は神経回路のより多くの構築に寄与することで認知機能の改善につながると考えられた。
|