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2022 年度 実施状況報告書

遺伝子改変肥満マウスにおけるデスアシルグレリンの抗肥満作用の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K17806
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

福原 正太  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80817685)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードデスアシルグレリン / 肥満 / レット症候群 / MECP2
研究実績の概要

自閉症性発達障害をきたす疾患の一つとしてレット症候群が知られており、Methyl-CpG binding protein 2 (MECP2)遺伝子異常が原因で発症するが、その軽症型で肥満を合併するという報告がある。研究者らはレット症候群のモデルマウスである雌性Mecp2 へテロノックアウトマウスは、視床下部における摂食調節障害と報酬系の異常により、高脂肪食の条件下で過食による肥満と耐糖能障害が重度になることを報告している。また、近年の海外の研究の知見では、デスアシルグレリン
、デスアシルグレリンが胃から血中に分泌され、視床下部の室傍核にあるCorticotropin-releasing factor(CRF)2型受容体を介して摂食や消化管運動を抑制するというグレリンに拮抗した作用を持つという報告がある (Gastroenterology:129(1):8-25, 2005)。本研究は、CRH-POMC系ニューロンの異常を来すMecp2 へテロノックアウトマウスに摂食抑制作用と糖代謝改善作用を持つデスアシルグレリンを投与し、抗肥満効果や耐糖能異常の改善効果を検討し、視床下部摂食調節系、ドパミン報酬系における分子生物学的な側面から解析することを目的としている。本研究で、デスアシルグレリンの中枢性治療抵抗性肥満モデルにおける有用性が示された場合、肥満治療の発展に貢献することが期待される。
高脂肪食を摂餌させたMecp2ヘテロノックアウトマウスとWTマウスにそれぞれミニオスモティックポンプを用いてデスアシルグレリン(AZP531)を経皮投与(4nmol/kg/h)する予定であり、摂餌量、体重などの推移を確認し抗肥満効果について評価する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Mecp2ヘテロマウスの継代繁殖にやや遅れが生じており、デスアシルグレリン の投与実験については本年度から開始する予定である。相当数のマウスの繁殖が可能となれば通常食(組成:12%脂肪、59.1%炭水化物、28.8%蛋白質)と高脂肪食(組成:56.7%脂肪、23.1%炭水化物、20%蛋白質)をそれぞれ4週間摂餌させた後にデスアシルグレリン (AZP531)を4週間投与する予定である。

今後の研究の推進方策

高脂肪食を摂餌させたMecp2ヘテロノックアウトマウスとWTマウスにミニオスモティックポンプを用いてデスアシルグレリン(AZP531:4nmol/kg/h)と生理食塩水をそれぞれ4週間投与し、腹腔内糖負荷試験(IPGTT)、インスリン負荷試験(ITT)にて、耐糖能障害、インスリン抵抗性の評価を行う。酸素消費量測定、活動量測定で代謝の評価を行う。経時的に血液を採取し、血糖、インスリン、T-cho、LDL-C、HDL-C、中性脂肪、グレリン、レプチン、アディポネクチンなどの血液生化学検査を測定する。視床下部を採取し、リアルタイムPCRで摂食調節ペプチドであるAgRP、POMC、CRHなどの測定を行う。報酬系におけるドパミンの発現についても評価を行う。マウスについては、実験可能なマウスの繁殖をさらに進める。

次年度使用額が生じた理由

マウスの継代繁殖に時間がかかっており、今年度は研究試薬の購入が進まなかったため。

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公開日: 2023-12-25  

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