研究課題/領域番号 |
22K17808
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研究機関 | 流通経済大学 |
研究代表者 |
諏訪部 和也 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80816413)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 超低強度運動 / 気分 / 認知機能 / MRI |
研究実績の概要 |
本研究では、fMRIとMRI対応非磁性体エルゴメータを用いて運動時及び運動前後の脳活動パターンを評価し、超低強度運動(最大酸素摂取量の37%以下)による気分及び認知機能向上効果の脳内メカニズムの一端を明らかにすることを目的とする。2年間計画の1年目である2022年度は、研究倫理申請、被験者募集等の準備を行った後、実験を遂行した。実験は、運動時のMRI計測を行うMRI実験と、MRI計測は行わず、運動前後の認知機能の変化を測定する認知実験の2つの実験を別日に実施した。どちらの実験も同一の被験者を対象とした。 【MRI実験】運動条件と安静条件の2条件を別日に課すクロスオーバーデザインにて実験を行った。運動条件では、MRI対応エルゴメータを用いて12分間の運動を行った。安静条件では、運動をせずに仰臥位安静を保たせた。運動強度を被験者ごとに正確に規定するため、事前の運動負荷試験によりVO2peakを測定し、その30%(超低強度)になるように運動負荷を決定した。体動ノイズを抑制するため、確立した手法により頭部を固定し、運動前・運動中・運動後に全脳をEPI法により撮像した。運動前後の気分を二次元気分尺度(TDMS)により測定した。 【認知実験】10分間の超低強度運動の前後にStroop課題及び類似物体を用いた再認課題を課し、前頭前野や海馬の認知機能の変化を測定した。加えて、脳幹を起点とした覚醒系の神経化学的マーカーとして、アイトラッキングシステムにより瞬目率や瞳孔径を計測した。今後、運動前後の認知機能の変化と運動時脳活動変化との相関性を見ることで気分や認知機能への運動効果の脳内メカニズムを探索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年計画の1年目に当たる2022年度は、計画通り実験を遂行した。
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今後の研究の推進方策 |
取得済みのデータの分析を進め、研究目的の達成を目指す。得られた成果は、学会や学術雑誌で積極的に発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度購入を予定していたMRIデータ解析用PCについて、選定に時間を要し、購入できなかったできなかったため。2023年度に購入する予定である。
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