運動、特に超低強度(very light intensity)の有酸素運動が気分や認知機能などのメンタルヘルスに有益であることが明らかになりつつある。その脳内メカニズムは未解明であるが、運動時に運動関連領域だけでなく、海馬や前頭前野など認知関連領域の活動パターンが調節される可能性がある。本研究は、MRI対応エルゴメータを用いた運動時及び運動前後のfMRI計測からこの仮説の検証を試みた。体動による影響から運動時の分析は困難であったが、体動の大きかった者を除外し、運動前後を対象にした分析から、海馬と認知・運動関連領域を含む他の領域との機能的結合は、運動前と比較して運動後に強化される傾向が見られた。
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