先進国で高齢化が加速度的に進む中、脳老化に重要な内在性カンナビノイド系(ECS)に着目し、加齢性記憶障害の分子機構の解明を目指している。ECSの一つであるCB1受容体の細胞内局在依存的な生理機能に着目し、SH-SY5Y細胞を用いて、CB1受容体の活性化・不活性化がミトコンドリア機能に与える影響を検証した。その結果、CB1受容体の活性が、ミトコンドリア膜電位や形態、ATP産生量、ROS産生量、細胞死(フェロトーシス)に関与する可能性が示唆された。さらに、他の神経系の細胞株や、CB1受容体の発現が確認されている骨格筋細胞株を用いてCB1受容体とミトコンドリア品質管理機構の関係性も明らかになった。
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