• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

時計遺伝子によるオステオサルコペニアの制御メカニズムの解明と時間栄養学的介入

研究課題

研究課題/領域番号 22K17832
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

半澤 史聡  兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (50910022)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードオステオサルコペニア / 摂食タイミング / 筋代謝 / 骨代謝 / 時間栄養学
研究実績の概要

超高齢社会を迎えた我が国では、骨粗鬆症とサルコペニアが併存した「オステオサルコペニア」の予防法を確立することが求められる。一方で、不規則な摂食タイミングは、体内時計の乱れを引き起こし、さまざまな代謝異常の原因となることが報告されている。そこで本研究では、摂食タイミングの違いが筋代謝や骨代謝に及ぼす影響を明らかにし、時間栄養学によるオステオサルコペニア予防に資するデータの獲得を目指す。本年度は、Wistar系雄性ラットを、異なる摂食タイミング(昼間制限摂食または夜間制限摂食)で一定期間飼育した。実験最終日に解剖を行い、血清、筋肉、および骨を採取した。昼間制限摂食群のラットは、夜間制限摂食群のラットと比べて最終体重が低下した。これは、摂食タイミング切り替え1日目に、ラットが休息期である昼間制限摂食に慣れておらず、飼料摂取量が少なかったためと考えられる。摂食タイミング切り替え1日目以降の体重増加量は、両群間で差はなかった。また、実験期間を通しての飼料効率も両群間で差はなかった。摂食タイミングの違いによる下肢筋肉重量の差は見られなかった。マイクロCTを用いて骨形態を解析したところ、昼間制限摂食によって、代表的な骨形態の指標が夜間制限摂食と比較して有意に低下した。以上の結果より、摂食タイミングの違いがラットの骨代謝に影響を及ぼすことが明らかになった。正常な骨代謝を維持するためには、規則正しい摂食タイミングが重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、研究計画に基づいた動物実験を実施したところ、正常ラットにおいて摂食タイミングの違いが骨代謝に影響を与えるという、一定の成果を得ることができた。また、動物実験および遺伝子発現の解析に必要な器具一式などを揃え、本研究の進展に繋がる研究環境を整備した。そのため、おおむね順調に進展していると考えた。

今後の研究の推進方策

本年度実施した動物実験より採取したサンプルを用いて、摂食タイミングの違いがラットの骨代謝を変動させたメカニズムを、骨代謝に関わるホルモンの測定および骨の遺伝子発現を解析することで明らかにしていく。また、筋萎縮・骨密度低下モデル動物を用いて同様の実験を行い、筋萎縮速度および骨密度低下速度に及ぼす摂食タイミングの影響を調べる。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、計画通りに物品を購入し、主に動物実験および研究環境整備に充てた。一定の研究環境が整ったため、千円弱の繰越額が生じた。次年度予定しているサンプル解析の際に必要な消耗品に充てる予定である。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi