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2022 年度 実施状況報告書

肥満関連食行動を制御する食物繊維処方の開発―腸内細菌に着目して―

研究課題

研究課題/領域番号 22K17838
研究機関東洋大学

研究代表者

小西 可奈  東洋大学, 食環境科学部, 助教 (40822185)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード食物繊維 / 腸内細菌 / 注意バイアス / 食欲 / 肥満
研究実績の概要

摂食調節機構の正常化に寄与する栄養素として食物繊維が注目されており、実際に高食物繊維食の摂取が肥満者の食欲を抑制し体重を減少させることが明らかにされている。一方で、摂食抑制効果が得られなかったとする報告もあり、食物繊維摂取が全てのヒトの摂食調節に有効であるかは未だ議論がなされている。近年、食物繊維の食欲抑制効果が腸内細菌や短鎖脂肪酸によって修飾されている可能性があることが指摘されている。
そこで本研究は、食物繊維を単回あるいは習慣的に摂取することが摂食調節に関わるホルモンや食欲、食への渇望・潜在的意識に与える影響を検証し、その間に介在すると考えられる腸内細菌や短鎖脂肪酸との関連を検討する。腸内細菌組成や短鎖脂肪酸産生といった個々の腸内環境の特性に応じた、摂食行動調節の正常化に有効な食物繊維処方を開発するためのエビデンス蓄積に貢献することが本研究の最終的な目標である。
今年度は、食物繊維の単回摂取が摂食調節機能や短鎖脂肪酸産生に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした研究を進めた。2つの食物繊維摂取試技とプラセボ試技をランダムクロスオーバーで実施し、測定項目は①食への渇望・潜在意識、②便中短鎖脂肪酸濃度、③血中食欲調節関連因子(GLP-1,PYY,グレリン,レプチン等)、④食欲(VASによる主観的評価)とし、食物繊維摂取後経時的に評価することとした。①の評価は,Food-related Attention Network TestやVisual prove task等で評価される“食に関連する視覚的注意バイアス”を応用した(Hardman et al., Appetite, 2021; Yokum et al., Obesity. 2011)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

腸内細菌や短鎖脂肪酸産生に着目し、異なる種類の食物繊維摂取がヒトの摂食行動・食欲に与える一過性の効果を検討する研究を進めた。対象は成人30名とし、測定項目は、①食への渇望・潜在意識(認知機能テストを応用して評価)、②便中短鎖脂肪酸濃度、③血中食欲調節関連因子(GLP-1,PYY,グレリン,レプチン等)、④食欲(VASによる主観的評価)とした。今年度は文献調査を行い、研究に用いる食物繊維を選定するための予備実験を進めた。

今後の研究の推進方策

予備実験で得た知見を基に、介入に使用する食物繊維を決定し、異なる種類の食物繊維摂取がヒトの摂食行動・食欲に与える一過性の効果を検討するためにデータの取得や分析を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度中に予備実験と本実験を進める計画であったが、予備実験に時間を要したため、本実験のサンプル採取に用いる消耗品費や分析費用を次年度に繰り越した。次年度は本実験を実施するため、消耗品や分析費用として繰り越した分を使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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