研究課題/領域番号 |
22K17842
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
黒瀬 聖司 関西医科大学, 医学部, 講師 (80825951)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マイオカイン / フォリスタチン / マイオスタチン / 身体活動 / 減量 |
研究実績の概要 |
当初の予定では、2022年度の結果をもとにマイオカインを四分位に分類して、減量プログラムによる変化を検証する予定であった。しかし、2022年度の研究結果(Endocr Res. 2023;48:120-128)から、マイオスタチン(MST)とフォリスタチン(FST)は体組成や身体活動による影響が大きく、まずは減量率による分泌動態の変化を検証する必要性が示唆された。よって、2023年度は減量率が3%未満のLow群、3-10%のMiddle群、10%以上のHigh群に分類して、MSTとFSTの変化と関連因子を検証した。 6ヵ月間の減量プログラムを完遂し、介入前後の主要評価項目の測定が可能であった126例を対象に分析した。その結果、Middle群とHigh群の体脂肪率は有意に減少し、除脂肪率と身体活動量は有意に増加した。MSTは3群ともに有意に増加し、FSTはMiddle群のみ有意に減少した。Low群のMSTの変化率はPeak VO2の変化率と負の相関を示した。また、Low群のFSTの変化率は減量プログラム中の座位時間と正の相関、Middle群のFSTは体脂肪量および体脂肪率の変化率と正の相関、High群のFSTは内臓脂肪面積の変化率と座位時間と負の相関を示した。 以上のことから、肥満者のMSTは減量率に関係なく、減量プログラム前後で有意に増加した。また、FSTは3-10%減量においてのみ有意に減少した。これらのマイオカインの変化は、減量中の体組成と代謝のフィードバックを受けながら、身体活動の状況に合わせて変動する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に分析した肥満者と高度肥満者の体組成とマイオカインの横断的な分析は完了し、学会発表ならびに論文発表できた(Endocr Res. 2023;48:120-128)。また、6ヵ月間の減量プログラムを完遂した肥満者を対象にして、減量率ごとのマイオカインの変化と関連因子の分析まで実施できた。この結果はすでに学会発表し、国際誌に論文投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
減量プログラムによるマイオカイン変動は分析でき、減量率によって身体活動の影響は異なることが明確になった。特にフォリスタチン、マイオスタチンの動態については分析できたが、減量に対する認知や行動変容、骨格筋機能にも影響する可能性がある脳神経由来栄養因子(BDNF)についても分析をしていく予定である。また、マイオカイン変動に対する身体活動のカットオフ値が決定可能か否かも検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会での成果発表を検討していたが、予定が合わず、国内での発表となった。 オープンアクセス誌への投稿を予定しており、論文掲載料に充当する。
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