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2022 年度 実施状況報告書

ホロノミック関数の有限性に基づく非線形システム理論の構築とアルゴリズム設計

研究課題

研究課題/領域番号 22K17855
研究機関大阪大学

研究代表者

庵 智幸  大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (00908410)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード非線形システム / ホロノミック関数 / Pfaffian系
研究実績の概要

本研究の目的は,Pfaffian系と呼ばれる偏微分方程式系の解空間がホロノミック関数と呼ばれる関数からなる有限次元ベクトル空間となることを活用し,非線形システム制御における種々の解析・設計問題を有限個のパラメータ決定問題へと帰着させる系統的な手法を提案することである.本年度の研究計画では,Pfaffian系の解空間の設計理論の構築を行う予定であった.
まず本年度では,非線形最適制御理論における重要な方程式であるHamilton-Jacobi方程式の解を決定する問題が,高々有限個の代数方程式を満たすような有限次元ベクトルの決定問題に帰着できることを証明した.ここではハミルトン関数が時間に陽に依存しない場合を仮定していたが,その後,ハミルトン関数が時間に依存する場合に対しても拡張を行った.また,ホロノミック関数で表現される非線形システムに対して,その構成要素となるホロノミック関数全てを解空間に含むようなPfaffian系を用いることで,元の非線形システムの入出力関係を保ったまま別のシステムへと書き換えられることを示した.書き換え後のシステムはより単純な有理式で表現されており,かつ元の非線形システムの軌道に沿った有限次元線型空間のダイナミクスと解釈することができ,制御・推定アルゴリズムの設計における活用が期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前述の通りホロノミック関数あるいはPfaffian系の解空間の有限次元性を活かす形の成果は出てきているものの,所望の性質を持つPafaffian系そのものの構成方法には踏み込めていないため.

今後の研究の推進方策

Pfaffian系は微分作用素環のイデアルから計算される.Pfaffian系の構成に関する理論的な見通しを立てる上では,Pfaffian系そのものよりも,その元となるイデアルの性質から論じる必要があることが分かってきた.また,イデアルの制限というものを考えることで,イデアル(つまり偏微分方程式)の解の局所的な性質を調べることができる.従来から研究されてきた線形近似を用いた結果とこのイデアルの制限を関連付けることで,線形近似システムに対する結果をうまく包含する形の成果が得られると期待できる.

次年度使用額が生じた理由

理論面の解析や拡張に優先的に取り組んだ結果,本年度中に予定していた計算機を購入しなかったためである.研究計画全体としては基本的に変更が無いよう執行する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] あるクラスの時変ハミルトン系に対する第一積分の特徴づけに関する一検討2023

    • 著者名/発表者名
      庵 智幸
    • 学会等名
      第10回計測自動制御学会制御部門マルチシンポジウム
  • [学会発表] On first integrals of Hamiltonian system with holonomic Hamiltonian2022

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Iori
    • 学会等名
      The 61st IEEE Conference on Decision and Control (CDC 2022)
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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