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2023 年度 実施状況報告書

近似的劣モジュラ性に基づく実用的な組合せ最適化アルゴリズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K17857
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

藤井 海斗  国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教 (50884243)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード劣モジュラ / ベイジアンゲーム / 相関均衡
研究実績の概要

2023年度は、2022年度に引き続き、ベイジアンゲームにおけるprice of anarchyについて研究した。price of anarchyとは、人々がそれぞれに自分の利益を追求することによって、社会全体として望ましい状態からどれだけ乖離してしまうかを表す値である。より厳密には、均衡(局所最適解)におけるsocial welfare(目的関数値)の、社会最適(大域最適解)に対する比として定義され、最適化における局所探索の近似保証と密接に関連している。本研究では、social welfareが劣モジュラ関数で表されるゲームの解析に取り組んだ。これらのゲームでは、各プレイヤーは資源(たとえば施設など)の集合を選択し、選ばれた資源の集合に対する劣モジュラ関数の値としてsocial welfareが決まる。既存研究において、施設配置、情報拡散、推薦システムなど、共有された資源を配分するようなゲームがこの性質を満たすことが示されており、price of anarchyが定数で抑えられる最も重要なゲームのクラスの一つとして研究されてきた。本研究では、まず各プレイヤーが分散的に意思決定する場合と、すべてのプレイヤーの情報を集約して中央集権的に意思決定する場合で、どれくらいギャップが生まれるかを解析し、各プレイヤーがもつ情報の分布に相関がない場合とある場合それぞれについてtightな下界を示した。この下界を用いることで、ベイズナッシュ均衡やさまざまなベイズ相関均衡についてprice of anarchyの上界と下界を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

劣モジュラ性と局所探索の近似保証の関係について、新しい知見を順調に得られているため。

今後の研究の推進方策

劣モジュラ性と局所探索の近似保証の関係について得られた知見を、近似的劣モジュラ性へと拡張することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

2022年度に参加予定だった国際会議がオンライン開催となり、その分の予算を繰り越しているため。

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公開日: 2024-12-25  

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