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2022 年度 実施状況報告書

サポートベクター回帰のハイパーパラメータの新たな推定

研究課題

研究課題/領域番号 22K17860
研究機関横浜市立大学

研究代表者

牧草 夏実  横浜市立大学, データサイエンス学部, 特任助教 (60908341)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードカーネル法 / サポートベクター回帰 / 漸近理論
研究実績の概要

2022年度は,研究計画における「ハイパーパラメータを含めた推定法の構築」を主課題として研究の実施を行った.特に,推定量が真のパラメータ,すなわち条件付き密度関数に表れているパラメータへ収束する様子が漸近正規性を持つことについて調べるための関連研究の調査を行った.ハイパーパラメータを最適化関数に含めていないサポートベクター回帰においての漸近正規性については,関数デルタ法を用いて示されており,最適化関数と対応する,ある作用素のフレッシェ微分可能性が必要であった.本年度ではこの問題の解決にあたり,ハイパーパラメータを含めた場合の作用素がフレッシェ微分可能であるための条件について調査を行った.
関連研究では,作用素のガトゥー微分可能性を調べ,そのガトゥー微分が連続であることを調べることでフレッシェ微分可能性を調べていることが分かった.本研究においては,これらの導出方法と同様にして,作用素のガトゥー微分可能性および連続性について,回帰関数のみではなく,回帰関数に表れるパラメータおよび損失関数に現れるハイパーパラメータも含めた,3つの組において示す必要があり,対応する補題について調べた.また,この3つの組はヒルベルト空間の直和空間の元に対応しており,3つの推定量それぞれの微分可能性と,3つの組の微分可能性についてどのような関連性があるのかどうか,ヒルベルト空間の一般理論も含めて調査する必要性があることが分かった.
本研究に関連し1件の学会発表を実施し,1本の論文を投稿した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画書に基づく進捗状況の判断としては,おおむね順調に進展していると判断できる.2022年度においては, maximum variance discrepancyと呼ばれる分布間の違いを測る指標に基づく2標本検定に関する論文が投稿された.カーネル法の理論と応用について研究集会にて講演発表を行った.サポートベクター回帰に関する結果には至っていないがおおむね順調に進展していると判断する.

今後の研究の推進方策

次年度は研究計画書の通り,ハイパーパラメータも含めた最適化問題を解くことで得られた推定量の漸近正規性の導出および,その結果についてのモンテカルロシミュレーションを実施する予定である.関連研究で調べた補題をたどり,ある作用素のフレッシェ微分可能性を調べることについて,まず取り組む予定であるが,漸近正規性の導出については関数デルタ法にこだわらず,ヒルベルト空間の性質を広く使ったアプローチを考えている.回帰関数の推定量に関しては,関数自体の漸近正規性をヒストグラムで表現することは困難であるため,各点における漸近正規性を調べる.

次年度使用額が生じた理由

予定していた国際学会が新型コロナウィルス感染拡大の影響で1年延期になったため次年度使用額が発生した.また,購入予定であった電子機器等についての納期未定などが影響している.使用計画としては,電子機器等は次年度購入予定であり,旅費については国際学会が開催される状況であれば,計画通り執行される予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Kernel Method and its Application2022

    • 著者名/発表者名
      Natsumi Makigusa
    • 学会等名
      RIMS研究集会: 再生核ヒルベルト空間を中心とした 実解析・複素解析・函数解析の総合的研究
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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