研究課題/領域番号 |
22K17876
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
徐 建文 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 文部科学省卓越研究員(助教) (50942893)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | IoT / ワイヤレスセンサーネットワーク / 低消費電力システム |
研究実績の概要 |
本研究では山岳救助の支援を目的として、バッテリーレスタグを利用した登山者の位置追跡を行うための超低消費電力山岳救助支援システムの設計および構築とその最適化に関する基盤技術を研究開発する。 そして令和5年度は、申請書で提案された山岳支援システムの各部分の構築を行い、応急ネットワークを効率的に組み立てられるように、タグリーダー(検知器)とリンクしたアクセスポイント配置アルゴリズムとLPWANプロトコルの設計に従事した。具体的には、登山者が持つバッテリーレスタグを検知するために、タグリーダーをコスト面から最小数で配置することを考慮した。山岳地帯の木や岩などの多くの障害物を想定するほか、3D空間における設置アルゴリズムを設計した。また、多数の登山者からごく短時間でタグデータを読み取ることを考慮し、伝送データ量に応じた動的なリソース割当ができるプロトコルを設計した。実証実験では、通信モジュールとタグリーダーを搭載したドローンを導入して、バッテリーレスタグの読み込み実験を行った結果、タグをより効率的かつ正しく検知するために、遠距離や障害物では影響が生じることが判明された。本研究で提案されたシステムの適応性を更に向上させるために、今後の研究開発では、システムの消費電力最適化に重点を置く。 本研究は研究開発と成果発表を並行して行うものとし、今まで研究成果をまとめ、その一部を国際学術論文誌IEEE Transactions on Mobile Computingにて発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、提案した山岳支援システムの構築を行ったため、当初の予定通りこれらの計画を順調に実行できた。 実験を行いながら、成果発表による論文の投稿も同時に進行しているので、進捗状況はおおむね順調しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、申請書で提案した山岳救助支援システムの最適化を進み、システム自体の省エネ化を考慮しながら、実証実験を行い続ける。本研究は研究開発と成果発表を並行して行うものとし、本研究領域の学術論文誌への投稿を目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和6年度も引き続きシミュレーションによる評価実験および実証実験を行うため、設備備品費、国内・外国旅費と実験協力者のための謝金を計上する。また、ある程度まとまった研究成果が期待されることから、国際学術論文誌への論文投稿し、特に広く成果公開できるOpen Access Copyrightの登録料を計上する。
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