本研究では、分散環境に親和性の高い情報指向ネットワーク技術 (ICN: Information-Centric Networking) と、「分散型」という共通項を持つブロックチェーン技術を融合させ、全く新しい分散型ネットワークサービス提供基盤の形成を目指す。具体的には、ICN を用いたネットワーク内処理を実現するためのシステム基盤の土台を構築する。 今年度 (2023年度) は、昨年度開発した ICN 実験用ソフトウェアにおいて、クラウド・エッジコンピューティング環境で広く利用されているマイクロサービス技術である Docker コンテナを利用した ICN ルータ機能について、予備的な試験を行なった。ICN ルータ機能を集中管理するためのフレームワークを研究開発して性能評価を実施した。本成果は著名国際会議 IEEE INFOCOM の併催ワークショップにおいて論文発表を行った。並びに、本技術の応用先として期待されるマルチキャスト動画配信を対象として、デプロイメント技術としての機能の評価を行い、提案技術を利用することでマルチキャスト機能が既存インターネットインフラ上に効率的に展開可能なことを示した。本研究により得られた成果は国際会議 ICNC において発表を行った。また、ICN や SDN/NFV に関する著名国際会議の論文を読みつつ提案する方式の検討を進め、複数機能を効率的に発見する経路制御アルゴリズムを提案し、シミュレーション実験による成果を、国内著名学会の英文論文誌に投稿して論文が採択された。
|