研究課題/領域番号 |
22K17899
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
華井 雅俊 東京大学, 情報基盤センター, 特任助教 (80936708)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 分散グラフ処理 / 分散コンテナシステム |
研究実績の概要 |
今年度は前年度に引き続き、分散グラフ処理を利用する実際のアプリケーションとして、Graph Neural Networkの調査・研究に従事するとともに、実行中にドラスティックにリソースが変動する計算環境として、分散コンテナ環境 (Kubernetes) の調査・研究をおこなった。分散コンテナ環境では、従来の仮想環境 (VM) で行われるインフラ側のリソースベースでの動的計算資源管理だけでなく、アプリケーション側からの要求に応じたより細かい動的資源管理が可能となる。 研究実施者の所属部門である東京大学情報基盤センターを中心に開発する"データ活用社会創成プラットフォームmdx"上で中規模なKubernetes環境を構築し、グラフ分割が特に重要となる基盤システムの技術調査および研究をおこなった。また、Graph Nueral Networkを利用した交通流予測およびPoint of Interest予測問題やGraph Neural Networkを利用した材料物性値予測問題など実際のアプリケーション研究を引き続き行うとともに、新たなグラフ処理分野開拓のため、大規模データ収集の方法論確立にも注力した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クラウドなどを代表とする今日の動的管理可能な計算環境において、これまでのVMベースの動的資源管理から分散コンテナベースの動的資源管理への移行が積極的に行われており、今年度は最新技術動向の調査およびキャッチアップのために、主テーマである分散グラフ処理自体の研究よりもその基礎をなすインフラ側のテーマが主となった。そのため、主テーマとしての進捗はやや遅れているとの自己評価である。
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今後の研究の推進方策 |
上記、分散コンテナ技術の発展がめざましく新技術への移行も非常に活発的である。本テーマである動的グラフ分割の研究開発においてインフラ側技術は最も重要なファクターであるため、主テーマからは多少ずれるものの、分散コンテナ技術の調査・研究を継続しつつ、最終年度の締めくくりを行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内リソースの利用により予定よりも出費が抑えられたため。物品費として利用する。
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