研究課題/領域番号 |
22K17916
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研究機関 | 愛知工科大学 |
研究代表者 |
久徳 遙矢 愛知工科大学, 工学部, 助教 (50807930)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 動作信頼度 / センサフュージョン / 遠赤外線カメラ |
研究実績の概要 |
歩行者検出器の入力となる任意の観測データに対する,領域毎の動作信頼度を推定するシステムの構築を目的として,「研究実施計画」において達成事項として掲げていた「入力データと検出器の局所的な挙動の対応に基づき,任意の検出器に対して適用可能な枠組み定義」および「検出器が用いるセンサとは異なるセンサ情報の併用」,「各センサ情報の統合利用」に跨る知見を得るためのベースとなる研究を推進した. まず,異なるセンサ情報をより柔軟に併用可能とするため,可視光カメラと遠赤外線カメラをそれぞれ入力とする2種の検出器について,観測時刻毎にどちらが信頼できるか選択する枠組みを構築した.その際,入力全体からでも局所領域からでも同様の枠組みで算出可能な,画像の局所特徴に基づくBoFを用いる「カメラ選択器」を設計した. さらに,より領域毎の特徴に近付くよう,CNNベースのシーン認識手法を取り入れた「カメラ選択器」へ発展させた.ただし学習データ量の確保の都合から,本選択器はカメラベースの自車位置推定器に対する選択器として構築した. 加えて,遠赤外線カメラ用データの不足の解消を目的とし,可視光カメラ用検出器の出力に基づいて遠赤外線カメラ用検出器の検出精度を向上させる取り組みを行なった. これらの取り組みから,2種のセンサの状況に応じた優劣に関し,局所領域から算出される特徴量に基づいて判断可能であることが示唆された.「信頼度」という「度合い」の厳密な判断には至っていないが,比較対象が存在する際に「どちらが信頼度が高いか」を判断できたという点で意義深いものである.また,局所的な信頼度推定への発展を見越した特徴量設計によってカメラ選択を行なえたことから,今後の研究を進める上で重要な知見を得られたと言える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他センサを併用するためのデータ収集用デバイスに関し,その特殊性から選択肢が一択であった.しかし,半導体不足を始めとした国際情勢の都合からメーカの生産遅延が著しく,入手が著しく遅れることとなった.これにより既存データセットや他用途のデータセットによる研究推進を余儀なくされ,目的を直接達成する手法の構築に至らなかった分,若干の遅れが認められる.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究活動により,局所的な解析に繋がる知見を得,さらにデータ収集用デバイスを入手できた.そのため,まずは局所的な信頼度の定義および算出,そして推定を進めていく.併せて,より適切に他センサを併用するための独自データセットの構築を進めていく.
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