研究実績の概要 |
今年度は未知物体のあるopen-setシーングラフ生成(SGG)における,不確かさに基づく未知物体の関係検出に取り組んだ.具体的には訓練時に予測の不確かさに基づいて生成した擬似ラベルによって,未知物体とその関係の検出を明示的に学習する新たなopen-set技法を開発した.特に未知物体の擬似ラベルだけでは関係真値のない未知物体は常に関係を持たないと学習してしまう問題を解決するため,未知物体の関係についても擬似ラベルを生成する技術を設計・実装した.また昨年度から用いているモデルに加えて,closed-set SGGの最新モデルの公開実装もopen-set拡張することでモデル間の性能比較を可能とした.さらに提案技法を複数のSGGモデルと組み合わせて実験的に評価し,テスト時のみに未知物体を考慮する昨年度までの技法や関係を考慮しないopen-set物体検出の従来技法と比較して,モデルに依存しない提案技法の優位性を確認した.これらの成果の一部については国内研究会に投稿して成果発表を行った(薗頭ら, “Open-setシーングラフ生成のための物体間の関係を考慮した未知物体検出,” 画像の認識・理解シンポジウム, 2023年7月). また昨年度1月には未知物体検出についての成果を国際論文誌Pattern Recognition Lettersに投稿したが,今年度11月に査読結果を受けて12月に改訂稿を提出し,引き続き対応中である.
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