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2022 年度 実施状況報告書

身体の接触の拡張:皮膚の振動伝搬特性と錯覚現象を利用した振動位置覚制御論の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K17926
研究機関筑波大学

研究代表者

蜂須 拓  筑波大学, システム情報系, 助教 (20810170)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード身体接触 / 触覚 / 振動 / 錯覚現象 / 振動伝搬
研究実績の概要

本年度は2つの研究課題に取り組んだ.
1つ目はブレスレット型デバイスを装着した二者が手指による身体接触中に一方から他方へ効率的に伝搬する振動刺激を設計することを目的とした課題である.まず,手首皮膚に提示する振動刺激を定量的に制御するシステムを構築した.振動子と皮膚の接触力および正弦波振動の加速度振幅を統制した状態で,周波数および振動子の駆動方向(手首皮膚に対して法線または接線方向)を変数とするシステムを構築した.また,84個の加速度センサを手指に固定し,手首から皮膚に伝搬する振動加速度を1000 Hzのサンプリング周波数で計測するシステムを構築した.両システムを用いて,変数に対する手指に伝搬する振動を時空間的に計測した.計測データの一部分において,三次元手指モデルに時空間的な振動加速度の大きさをマッピングした振動伝搬の可視化を実現した.
2つ目はブレスレット型デバイスを装着した二者が手指による身体接触中に,デバイス(振動子)が接触している部位(手首)以外に生起する錯覚的な振動感覚の生起条件の解明を目的とした課題である.個人内における同様の錯覚現象を扱った先行研究を参考に,2つの振動子から出力される加速度振幅の比および周波数に対する知覚される振動位置を検証する実験のシステムの構築および実施を行った.予備実験の結果,振幅比と知覚される振動位置には線形の関係があること,周波数によって線形性が変化することを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2つの研究課題に対して,それぞれ実験の実施まで完了しているため.

今後の研究の推進方策

本年度と同様に2つの研究課題に引き続き取り組む.
1つ目はブレスレット型デバイスを装着した二者が手指による身体接触中に一方から他方へ効率的に伝搬する振動刺激を設計することを目的とした課題である.本年度計測したデータより,変数とした振動の周波数および振動子の駆動方向に対する振動伝搬の時空間特性を可視化することで検証する.また,計測した振動加速度と接触相手が知覚する強度との対応関係を明らかすることで,身体接触中に一方から他方へ効率的に伝搬する振動刺激の設計論を確立する.
2つ目はブレスレット型デバイスを装着した二者が手指による身体接触中に,デバイス(振動子)が接触している部位(手首)以外に生起する錯覚的な振動感覚の生起条件の解明を目的とした課題である.本年度構築した実験システムを用いて,実験参加者を十数名ほど募り実験を実施する.これにより,予備実験の結果(振幅比と知覚される振動位置には線形の関係があること,周波数によって線形性が変化すること)を統計的に示す.

次年度使用額が生じた理由

購入を計画していた振動素子の耐久性について見直しが必要となり,本年度は購入を見送り,手持ちの代替品で研究を実施した.次年度は別の振動素子の購入も含めて振動素子の再選定および購入を計画している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Interpersonal Vibrotactile Phantom Sensation between Hands via Actuated Bracelets2023

    • 著者名/発表者名
      Kenta Ebina, Taku Hachisu
    • 学会等名
      IEEE World Haptics Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 身体の物理的接触を拡張するウェアラブルデバイス(第11 報):ファントムセンセーションを用いた任意位置振動提示手法2022

    • 著者名/発表者名
      海老名健太,蜂須拓
    • 学会等名
      日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究会第29回研究会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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