研究課題
本年度の研究では、2つの重要な課題に取り組みました。1つ目の課題では、ブレスレット型デバイスから手首から手指に振動刺激を伝える際の効果的な方法を追求しました。前年度には、振動加速度を手指モデルにマッピングし、振動伝播の可視化を行いました。そして、今年度はこの可視化を基に、身体接触中の人々が感じる振動位置と周波数の関係を詳細に検証しました。結果として、低周波数(50-100 Hz)の振動は手指全体に広がり、振動源の定位が難しいことが明らかになりました。一方で、高周波数(200 Hz)の振動は局所的であり、定位が容易であることが示されました。これらの知見は、ブレスレット型デバイスの設計や振動刺激の効果的な活用に向けた重要な基盤を提供します。2つ目の課題では、ブレスレット型デバイスを装着した際に、手指を使用した身体接触時に生じる錯覚的な振動感覚の条件を明らかにしました。前年度には、振幅比と知覚される振動位置の関係について線形性があること、そして周波数がこの線形性に影響を与えることを確認しました。今年度は、より大規模な参加者を対象に実験を行い、統計的に2つのデバイスの振幅比によって振動位置を制御できることを示しました。さらに、高周波数(200 Hz)の場合、振動位置のばらつきが少ないことが明らかになりました。これらの結果は、前述の課題から得られた洞察と整合し、振動位置の制御方法をより洗練させるための重要な手掛かりとなります。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
IEEE Transactions on Haptics
巻: Early Access ページ: 1~13
10.1109/TOH.2023.3327394
日本バーチャルリアリティ学会論文誌
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10.18974/tvrsj.28.4_295
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