研究課題/領域番号 |
22K17933
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
LIU CHANG 京都大学, 医学研究科, 助教 (30944087)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 聴覚性選択性注意の促進 / 高度な訓練 / 総合的な訓練 / バーチャルリアリティ / 高次脳機能障害 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
実際の社会生活場面を模したVR郵便局タスクを実装し,療法士としての専門知識を持つ健常者17名を対象に,有用性調査を主目的とした被験者実験を行った.その結果, 1) VR課題は遂行機能及び視覚性の注意を従来方法と同等に要求することに加え,聴覚性の選択性注意の使用を有意に促進できる, 2) 会話能力を要求する課題を取り入れることで従来の認知機能訓練・検査より総合的かつ高度な訓練を行うことができる, 3) 没入型VRにおいて,頭部の回転運動及び決定ボタンのみに限定される最小限な操作でも,認知能力を対象としたリハビリを実現できることがわかった. また,ディスプレイ上にレンダリングされるコンテンツのみならず,実世界にある器具を追跡しVR内のコンテンツと連携させることで,VR認知タスクの総合的な訓練効果を向上させることがわかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの結果を踏まえ,実世界にあるリハビリ用器具と連携させることで,VR認知タスクの総合的な訓練効果を向上させる着想を得たのち,セットアップの改良および実験を行い, IEEE EMBC2024 (https://embc.embs.org/2024/) の Full Paper として採択された.(公開予定)
|
今後の研究の推進方策 |
VR コンテンツに会話能力を要求する課題を取り入れ,実世界にあるリハビリ器具と連携されることで,従来の認知機能訓練・検査より総合的かつ高度な訓練を行うことができることを踏まえ,今後の研究方向性として,主に対話型AIを活用し,社会生活情景に対応した対話訓練を行える VR 課題を検討することが挙げられる.
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度中に採択された国際会議が2024年7月にアメリカにて開催予定であるため,参加費および旅費の発生が次年度に生じる
|