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2022 年度 実施状況報告書

COVID-19重症化リスク低減のためのオントロジーに基づく知識統合とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K17959
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

山縣 友紀  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00543927)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードオントロジー / COVID-19 / リスク低減 / 知識統合
研究実績の概要

本研究の目的は,COVID-19感染プロセスに関わる多種多様な知識についてオントロジー技術を用いて計算機処理可能な形式で知識を統合することで重症化リスクの低減を目指すことである.
本年度は,知識統合のための参照オントロジーの構築を開始し,技術課題について明らかにするための検討を行った.まず,参照オントロジー構築においては,統合対象となるデータについて,COVID-19感染機序における多様なプロセスを計算機で一貫性のある形で統一的に理解し,計算機で処理することが必要である.本研究では,これまで開発してきたホメオスタシスインバランスプロセス(HoIP)オントロジーを参照オントロジーとして拡張することで,領域横断的な統合のための知識基盤の確立を目指した.
COVID-19には高齢者の重症化が課題となっているが,まずその基礎的なメカニズムを探るため,細胞レベルでの老化に着目しマニュアルアノテーションを行った.また,表現型,症状,疾患を参照し,知識統合するための国際的な複数のオントロジーの候補について調査を行い,ホメオスタシス破綻から臨床症状とどのように関わるのか概念レベル毎に特殊化を行うことで,概念の共通性や相違点について計算機処理を実現した.
次に,データ統合および共通スキーマ開発のためのオントロジーデザインパターンの比較において,上述の複数のオントロジーを用い,細胞レベルの老化とCOVID-19のプロセスについてCytoscapeを用い,可視化による比較を行い,デザインパターンの共通性について可視化できることが確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は参照オントロジーとしてHoIPを拡張し,細胞レベルでのホメオスタシス維持プロセスから臨床症状までの概念レベルでの共通性や相違点について複数のオントロジーを用いて計算処理を実現できることを確認し,複数のオントロジーでの共通パターンを可視化することが確認できた.

今後の研究の推進方策

次年度ではCOVID-19感染機序について感染プロセスの因果関係による統一記述枠組みを用い,ウイルス吸着から不顕性,さらに軽症から重症化まで多様な統合情報を写像する技術を開発し,そして,関係性に基づく新知識発見や,感染機序の深い理解支援のための方法論確立のための考察を進め,ナビゲーションシステム開発のための検討を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

システム開発のためのワークステーションおよびノートPCの購入を行わず,すでに保有していた機器を利用し,次年度においてデザインパターンの検討をふまえた写像技術開発使用額が生じた.今後統合ナビゲーションシステムの試作に適切に使用する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] オントロジーに基づく細胞老化プロセスの知識記述モデリング2022

    • 著者名/発表者名
      山縣友紀
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] Knowledge Systematization for Cellular Senescence Processes by Homeostasis Imbalance Process Ontology2022

    • 著者名/発表者名
      Yuki Yamagata
    • 学会等名
      ICBO 2022: International Conference on Biomedical Ontology
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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