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2022 年度 実施状況報告書

深層ゼロ関数学習の計算と理論

研究課題

研究課題/領域番号 22K17962
研究機関千葉大学

研究代表者

計良 宥志  千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (00887705)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード深層学習 / 敵対的訓練
研究実績の概要

有限の数の訓練データから学習を行う場合,訓練データ上で全く同じ振る舞いをする関数は無数に存在する.これは特に現代の overparameterized な深層学習モデルで顕著であり,多数の準最適関数のうちどの関数を選択するかは興味深くまた広い応用を持つ問題である.本年は,深層学習モデルの敵対的訓練における学習ダイナミクスに関する理論的な分析を行なった.敵対的訓練は,入力への摂動にロバストな深層学習モデルの訓練に用いられる.しかしその理論的な性質は深く理解されていない.本研究では,十分幅の広い深層ニューラルネットワークの学習初期の学習ダイナミクスに関して,理論的な結果を得た.解析にあたり,従来の理論的枠組みが直接適用できないため,まず新たな理論的枠組みを作り,それを用いて分析した.その結果,どのようなモデルアーキテクチャやハイパーパラメータ設定でどの程度の学習ができるのかという点について理論的な評価を与えてた.具体的には,通常の多層ニューラルネットワークが敵対的学習では不安定となることを示し,残差接続を導入することで安定ができることを示した.実験において,この理論的結果が実際の学習の挙動と非常によく一致することや,学習初期以降でもよく成立していることを確認できた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

深層学習モデルの学習ダイナミクスの解析に関する方法論に習熟し,深層ゼロ関数学習の理論的性質を調査する足掛かりを得てた.

今後の研究の推進方策

深層ゼロ関数学習において問題となる正規化の問題に取り組む.勾配正規化等の単純なもののみならず,近年発展著しいTransformerによる計算を考えている.近年では,Transformerの記号回帰問題における有用性も報告されており,これがゼロ関数学習へ応用できると考えている.このようなTransformerを用いる場合,正規化の問題を回避できる可能性もある.ゼロ関数学習への複数のアプローチを検討していく.

次年度使用額が生じた理由

主な計算実験および成果発表を次年度に行うため.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Probabilistic Approach towards Theoretical Understanding for Adversarial Training2023

    • 著者名/発表者名
      Soichiro Kumano, Hiroshi Kera, Toshihiko Yamasaki
    • 学会等名
      信学技報, 画像工学研究会 (IE)

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公開日: 2023-12-25  

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