研究課題/領域番号 |
22K17965
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
中井 拳吾 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (40879805)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 時間発展モデリング / 力学系 / 時系列データ / リザーバーコンピューティング |
研究実績の概要 |
リザーバーコンピューティングと呼ばれる機械学習が決定論的ダイナミクスの時系列モデリングに有効であることがわかってきた。この時系列の機械学習手法について、これまでの研究から時系列データの機械学習によって不動点や周期軌道、リアプノフ指数などの力学系の基本的な構造は再現することが明らかになっている。一方で、気象や流体などの実際の現象の力学系では微小の摂動で構造が大きく変わる構造不安定な力学系構造がある場合が大多数であると考えられている。このように微小摂動で構造が変化しうるような繊細な構造を機械学習により時間発展モデリングできるかということは非自明である。本年度は機械学習モデルの力学系構造のうち構造的に不安定な力学系構造の再現性に注目して解析を行った。ただし、構造不安定な力学系構造の典型例のうち安定多様体と不安定多様体の接触に由来する構造の再現性については既に明らかにしている。このため、不安定次元が変化するタイプの不安定構造の再現性を解明した。無限個の不安定周期軌道がカオスアトラクターの骨格になっているが、カオス軌道の解析は困難であるためここでは周期軌道の再現性や不安定次元などの力学系解析をすすめた。詳細な理解を得るため、時間方向に連続的に様子が変わっていく連続力学系である力学系ではなく、時間方向に離散的に値を吐き出す離散力学系を用いて考察をした。これにより不安定次元が変化するタイプの構造的な不安定性も再現することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの研究項目のうち初年度に予定していた研究項目1を予定通り研究を行った。また、順調に研究がすすみ十分な研究結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は限られた情報からどの程度の時間発展モデリング可能かということに注目して研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった研究集会がオンラインとなり次年度使用額が生じた。来年度はその研究会が対面開催予定であるため、その旅費に当てる予定である。
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