研究課題
脳を模倣した汎型AIハードウェア実現とそのロボット応用に向けて,2023年度は前年度に引き続き,海馬・扁桃体モデルの拡充,前頭前野モデルのベースとなるレザバーコンピューティングの拡充を行った.海馬・扁桃体モデルの拡充では,大規模言語モデル(LLM)を取り入れて,LLMが備える常識的知識と,提案モデルが獲得する環境特有の知識を組み合わせた行動計画ができるロボットシステムを構築した.ここで得られた成果は,特許出願を行った他,電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム(SIS)研究会で報告し,共著者がSIS研究会若手研究奨励賞を受賞した.一方,レザバーコンピューティングの拡張では,自己組織化するマルチリードアウトを備えるレザバーコンピューティングのバッチ学習版アルゴリズムの提案を行った.前年度までに提案したオンライン学習版アルゴリズムは,学習を制御するハイパーパラメータが多いことに加えて,与えられたデータの順番に応じて学習の結果が変わるなどといった,学習の不安定性の課題があった.当該年度に提案したバッチ学習版アルゴリズムは学習を制御するハイパーパラメータの数を削減し,与えられたデータの順番に学習結果が依存しない方法を取り入れた.ここで得られた成果は,特許出願を行った他,国際会議2023 International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications(NOLTA2023)および論文誌IEEE Accessにて成果発表を行なった.
2: おおむね順調に進展している
申請時,当該年度はマルチリードアウトレザバーコンピューティングのソフトウェア開発と海馬・扁桃体モデルの開発を行う計画であり,予定通りに計画を遂行した.
引き続き計画通りに遂行する.海馬・扁桃体モデルの開発について国際会議や論文誌にて未発表であるため,次年度は特に英語論文の執筆に力を入れる.
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IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E107-A ページ: -
10.1587/transfun.2023EAL2050
IEEE Access
巻: 11 ページ: 38839-138849
10.1109/ACCESS.2023.3340311