研究実績の概要 |
今年度は, ロボットの受容に関することを中心に研究した. 主に人々がどの程度ロボットというある種異質な存在に対して, どのような印象を抱くのかを調査し, その成果を国内と国際学会にて発表した. 今年度の補助金については, 上記の研究を遂行するためのデバイスや物品の購入に当てられた. そもそもロボットという存在は人々にどのような印象を与えて, 受け入れられていくのか, またどのような影響を与えるのかを調査した. 具体的には, 小学校と統合失調者患者が通うデイケアにロボットを設置し研究を行った. 小学校では, 5年生の1つのクラスに遠隔操作型対話ロボット「SOTA」を設置し, 子供たちがロボットにどのような印象を抱き, 受容していくのかを調査した. また, ロボットが学級にどのような影響を与えるのかについて調査を行った. その結果, 子供たちはロボットに対して安心感を抱くことが明らかになった. また, ロボットがいることで発表しやすい雰囲気の学級になる可能性が示唆された. この研究の成果については, 国内学会と国際学会で発表を行った. 統合失調症患者が通院するデイケアでは, デイケアにて月に1度自律対話ロボット「コミュー」との雑談体験会を開き, 患者たちがロボットを雑談相手として受け入れてくれるのか調査を行った. その結果, ロボットと会話することに対して強いネガティブな反応はなく, ロボットと会話することで覚醒度や眠気が改善されることが明らかになった. この研究成果については, 国内学会にて発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ユーザに不快感を与えずにコミュニケーション方法における苦言を提示する他者視点ロボットを開発するために, 初期段階としてロボットの存在がそもそも不快感を与えないかについて調査を行った. その結果, ロボットは子供たちや統合失調症患者に方に不快感やストレスを与えず, コミュニケーション相手として受け入れられることが明らかになった.
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今後の研究の推進方策 |
ユーザに不快感を与えずにコミュニケーション方法における苦言を提示する他者視点ロボットを開発することを目指し, まず, 申請者は, ロボットという異質な存在に対して不快感を感じないということが明らかにした. 次のステップでは, ユーザに不快感を与えずに苦言を提示するための対話システムや表現方法を実装することを目指す.
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