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2022 年度 実施状況報告書

日本の農業土壌の微生物ゲノム情報資源マイニング

研究課題

研究課題/領域番号 22K17999
研究機関東京農業大学

研究代表者

西田 暁史  東京農業大学, 生命科学部, 助教 (40824579)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードメタゲノム / 無細胞タンパク質合成系 / 機械学習 / フィターゼ
研究実績の概要

本課題ではまず日本の農業土壌を採取し、微生物DNAを抽出し、メタゲノム解析することで有用遺伝子を収集する。次いで有用遺伝子の1つとしてフィチン酸を分解し土壌に蓄積したリンを植物が利用できるかたちに溶解するフィターゼに着目し、多様な微生物のフィターゼ遺伝子を活性評価する。さらに多様な微生物のフィターゼ遺伝子を生成モデルによって特徴抽出し、活性のある塩基配列を解析するとともに、低pHでの機能活性など特性が付加されたフィターゼ遺伝子を生成する計画である。
土壌の採取とメタゲノム解析に関しては、トマト青枯れ病が発生した2圃場の土壌や有機農業の土壌から15検体、比較対象として里山土壌から3検体、新規につくられた圃場から9検体を採取した。そして微生物DNAを抽出し、シーケンシングを完了した。このシーケンシングデータをもとにMetagenome assembled genomeを構築するが、KBase(D. Chivian et al., Nature Protocols, 2022)を用いて現在実施中である。
多様な微生物のフィターゼ遺伝子の活性評価に関しては、遺伝子の大規模テストを見据えて、遺伝子組換えと培養時間を省略できるハイスループット評価系である無細胞タンパク質合成系を用いる計画である。大腸菌BL21株由来の細胞抽出液を用いた無細胞タンパク質合成系を作製し、遺伝子発現することに成功した。
生成モデルに関しては、遺伝子配列を試験的に学習させ、特徴抽出することに成功した。今後はより多くの遺伝子配列データを学習させる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属が変わり、多くの学生の卒研指導等や大学業務などでフィールドワークに行くことが難しくなったため。そのためデータベース上のメタゲノムデータを利用することで、フィールドワークの回数を減らした上で目的を達成する。

今後の研究の推進方策

生成モデルによりフィターゼに付与する特性を検討するにあたり、各フィターゼ遺伝子の情報が採取された地点の環境データを解析する予定である。そしてデータベースからmetagenome-assembled genomeを介して様々な細菌由来のフィターゼ遺伝子配列を取得し、生成モデルであるVariational Autoencoderに学習させ、その特徴を解析することで低pHでの機能性などフィターゼ遺伝子データセットに特徴的な特性を付加する予定である。また、フィターゼの改変により土壌のリン汚染の軽減を試み、その結果海洋の赤潮プランクトンの発生を抑制することが将来展望としてあるが、その赤潮プランクトン(Karenia mikimotoi、Heterocapsa circularisquama)の機能解析も行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ状況下でフィールドワークが制限されたこと、そして所属が変わったことで大量の学生の研究指導や大学業務でもフィールドワークに行くことが難しくなったため、遅れが生じた。次年度は研究環境が改善され、本来の計画通りフィールドワークサンプルのシーケンシングに予算を使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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