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2022 年度 実施状況報告書

森林のCO2吸収量に対するオゾンの影響評価 -夜間のオゾン吸収とその影響-

研究課題

研究課題/領域番号 22K18037
研究機関山梨大学

研究代表者

黄瀬 佳之  山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00818528)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードオゾン / 時刻別暴露 / 光合成 / ブナ
研究実績の概要

対流圏オゾンは植物の気孔から葉内に吸収されて光合成や成長を低下させる。オゾンの影響評価モデルによる試算では、オゾンによる森林のCO2吸収量の低下は地球温暖化に寄与しうることが危険視されている。一方、森林調査の結果、オゾンによるブナの成長低下程度はモデルによる試算の約3倍であり、大きなギャップがあることが判明した。先行研究では、森林は夜間のオゾン濃度が高いため気孔が閉じ気味でもオゾンが葉内に吸収されること、さらに、夜間のオゾン吸収量は多くはないにもかかわらず植物への悪影響は極めて著しいことが報告されている。しかし、このプロセスはオゾンの影響評価モデルでは考慮されていない。そこで、夜間影響を考慮したオゾンの影響評価モデルを開発し、日本の森林のCO2吸収量に対するオゾンの影響を評価することを目的とした。初年度は、日本の代表的な落葉広葉樹であるブナを対象とし、山梨大学甲府キャンパス圃場に設置したオープントップチャンバーを用いて苗木を育成した。処理区として浄化空気区、日中暴露区、夜間暴露区、24時間暴露区の4段階を設けた。暴露時のオゾン濃度は60 ppbに制御した。これまでのところ、ブナの純光合成速度に明確な処理区間差は認められなかった。一方、抗酸化物質の一種であるアスコルビン酸濃度は24時間暴露区で高い傾向を示した。また、0時と12時では、0時のアスコルビン酸濃度のほうが低いことも明らかになった。次年度も引き続きブナにオゾンを暴露し、継続的に調査する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

オゾンの暴露設備と光合成装置の改良に時間を要したので、やや研究が遅れ気味である。しかし、初年度にセットアップを終えたので、次年度以降は順調に研究が進むと思われる。

今後の研究の推進方策

引き続きブナにオゾン暴露を行い、光合成測定のほか、日中と夜間のオゾン吸収量の推定なども行い、オゾン吸収量と純光合成速度の関係を得る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高濃度オゾン・高温・高濃度環境下のコマツナの収量予測モデルの開発2022

    • 著者名/発表者名
      黄瀬佳之, 山中くるみ, 渡壁佳子, 茂手木悠樹, 橋口佑菜, 藤川あかり, 村山咲乃, 宮口光太, 山口真弘
    • 学会等名
      大気環境学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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