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2023 年度 実施状況報告書

獣害全体モデルの構築:生態学的要因と社会的要因を内包した対策計画

研究課題

研究課題/領域番号 22K18052
研究機関大阪大学

研究代表者

大谷 洋介  大阪大学, COデザインセンター, 准教授 (70750909)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード野生動物管理 / 野生動物保全 / 獣害対策 / カメラトラップ
研究実績の概要

本研究の目的は複数の哺乳類種の関係や対策状況、住民の状況など広範な条件を含んだモデルを構築することにより、「獣害問題」全体の構造を明らかにすることである。本年度においては大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センターと共同し大阪府下において自動撮影カメラを設置し、複数種の同時モニタリングを開始した。これは獣害問題における加害獣、外来種を含む大阪府下の哺乳類層の解明に繋がるものである。また同地域内のアンケートについての分析準備を開始した。また本研究の目的のひとつである獣害を解消しうる社会基盤の形成に向けて、農業と野生動物の軋轢だけでなく観光業との軋轢についても取り扱い、より広範なモデル構築を目的として山岳景勝地である上高地での調査を開始した。ニホンザルおよび観光客の土地利用形態の解明および関係者への聞き取り調査を通じて社会活動と保全の両立に向けた基盤データの提供及び施策の提案を目指す。またマレーシア サバ州キナバタンガン川流域の村落において、パームオイルプランテーションにおけるマカク属霊長類の食害について聞き取り調査を行った。マレーシアでは作物を食害するネズミをマカク属のブタオザルが採食することでプランテーションに好影響を与える事例が知られている。同地域においても同様の事例の可能性が示唆され、野生動物と社会活動の相互関係についてより詳細な研究の必要性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた通り、大阪府下におけるニホンザルを中心とした哺乳類層調査および獣害に関する意識についての調査が進行している。加えて上高地での調査を開始したことにより観光業を含めたより広範な社会活動と野生動物保全の関係についてモデルに含めることが可能となった。獣害問題に関する全体モデル構築に向けて着実に研究が進行している。加えてストレッチゴールとしていたマレーシアでの調査についても実施し、構築モデルの国外への適用に向けて準備を進展させた。

今後の研究の推進方策

生態学的要因と社会的要因を内包した対策モデルの構築に向けて、両側面の調査を継続して実施する。大阪府下の野生哺乳類層調査および地域住民を対象とした調査により都市近郊における獣害発生状況および住民の意識を明らかにする。また上高地での調査を通じて観光業と保全の併存に向けたより具体的な提言に向けた調査を推進する。具体的にはニホンザルと観光客の土地利用形態の重複度合い、地域を明示し、視覚情報を用いたサイエンスコミュニケーションの試みを開始する。

次年度使用額が生じた理由

物品費について当初予定よりやや安価に購入可能なものがあったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Sleeping site selection based on food availability and landscape of fear in southern pig-tailed macaques (macaca nemestrina) in Sabah, Malaysia.2023

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Otani, Henry Bernard, Anna Wong, Joseph Tangah, Augustine Tuuga, Goro Hanya, Ikki Matsuda
    • 学会等名
      International Primatological Society
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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