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2022 年度 実施状況報告書

生体親和型エネルギーハーベスターの高出力化に向けた開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K18062
研究機関名古屋大学

研究代表者

松永 正広  名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (10850125)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード環境発電 / 摩擦帯電
研究実績の概要

IoT(モノのインターネット)社会の発展とともに、急増するセンサデバイスの需要に対し、センサデバイスを駆動する電源が重要な課題となっている。電源代替あるいは電池の長寿命化のための技術の一つとしてエネルギーハーベスティングが期待されている。摩擦帯電型ナノ発電機はエネルギーハーベスティングの一種であり、人体動作のようなランダムかつ低周波の振動に対して発電可能である。本研究では、摩擦帯電型ナノ発電機のウェアラブルデバイス分野への応用に向け、出力特性や耐久性などのデバイス特性の改善を目的としている。
本年度は、電気陰性度が高く、負に帯電する傾向が強いことが知られているフッ素ポリマーを用いることで摩擦帯電型ナノ発電機のデバイス特性の改善を試みた。フッ素ポリマーを用いない従来型デバイスと比較し、およそ2.3倍となる出力の改善結果が得られ、これまでに単位面積あたり20Wを超える最大出力密度を得ている。
従来は摩擦帯電型ナノ発電機の接触面に対し、負もしくは正の帯電傾向を強くするような表面修飾を行い出力の改善を試みてきたが、加振により徐々に表面修飾の効果が薄れ耐久性の面が課題となっていた。今回は表面修飾ではなく誘電体層自体に着目しフッ素ポリマーを選択したため、少なくとも一万回加振後も出力電圧の明らかな減少は見られなかった。また、機械的特性を評価し、ウェアラブルデバイス応用に必要とされる伸縮性を維持していることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画と前後する部分もあるが、現在までに摩擦帯電型ナノ発電機の誘電体層にフッ素ポリマーを用いることで、従来の光学的透過性や柔軟性を維持しつつ、出力電圧の向上と耐久性の改善を確認しており、概ね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

引き続き摩擦帯電型ナノ発電機の出力特性の改善に取り組む。またナノカーボン材料などの低次元材料を電荷蓄積層として用いることによる出力特性への影響について検証を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

オンライン化による旅費の低減が主な要因である。次年度の旅費及び消耗品の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] フッ素樹脂-PDMS混合材料を用いた高出力摩擦帯電型発電シート2023

    • 著者名/発表者名
      松永正広,大野雄高
    • 学会等名
      第70回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] Stretchable and transparent triboelectric nanogenerators based on carbon nanotubes for self-powered wearable devices2022

    • 著者名/発表者名
      Y. Ohno, T. Kashima, and M. Matsunaga
    • 学会等名
      15th International Conference on New Diamond and Nano Carbons 2022
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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