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2023 年度 実施状況報告書

持続可能な脱成長地域社会のデザインに向けたエージェントベースの統合地域モデル開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K18075
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

堀 啓子  滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (80825787)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード脱成長 / エージェントモデル
研究実績の概要

本研究は、脱成長社会への移行施策による地域社会の持続可能性への効果を検証するための、地域社会の食・エネルギー・ケア領域を統合的に再現したエージェント・ベース・モデルの開発を目的とし、新潟県佐渡市を対象に①データ収集と分析によるエージェント・ベース・モデルの初期値とパラメータ設定,②エージェント・ベース・モデルの実装とBAUケースのシミュレーションによる妥当性検証,③脱成長志向の地域施策群のWhat-IF分析と最適な施策導入パターンの抽出、の3段階で行う事を計画するものである。
今年度は特に食分野に絞り、市場を介さない食のやりとり(自家生産やおすそわけ)に着目し、データの収集を行って市場を介さない食行動の予測モデルの構築を試みた。過去に対象地域において訪問調査された、市場を介さない食行動の程度(品目数や割合、人数や面積など)と回答者属性(年齢・性別・居住年数・地域との関係・家族人数・職業など)のデータを用いた。構築したモデルにおけるシミュレーションの入浴データとするため、対象地域の合成人口データを収集した。分析は重回帰分析や決定木、ランダムフォレストなどの複数の手法を用いて試みた。
結果として、いくつかの属性とおすそ分け行動との相関関係は観察されたものの、変数による強い影響関係が見いだされず、予測精度の高いモデルを得ることができなかった。本モデルでは再現性や不確実性が許容レベルを下回ると考え、本モデルはWhat-if分析には用いないこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

回答者の属性を説明変数とした、市場を介さない食行動の予測モデルの構築を試みたが、予測精度が高いモデルが得られず、再現性の高いエージェント・ベース・モデルの作成と妥当性検証に進めなかったため。

今後の研究の推進方策

今後はエネルギー分野の分析にとりかかり、再生可能エネルギーの空間分布データの構築と、家庭や事業者による発電行動の選択に関するモデリングや最適化を行う予定である。
今年度収集した対象地域の合成人口データや再生可能エネルギーの選択に関する文献などのデータは、エージェント・ベース・モデルにおけるエネルギー需要の設定や行動選択シミュレーションに使用することを検討している。

次年度使用額が生じた理由

複合的なエージェント・ベース・モデルの確立とシミュレーションまで進捗しなかったため、計算力の高い計算機の購入を次年度に移行したことが主な理由である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Longitudinal analysis of home food production and food sharing behavior in Japan: multiple benefits of local food systems and the recent impact of the COVID-19 pandemic2023

    • 著者名/発表者名
      Kamiyama Chiho、Hori Keiko、Matsui Takanori、Pretty Jules、Saito Osamu
    • 雑誌名

      Sustainability Science

      巻: 18 ページ: 2277~2291

    • DOI

      10.1007/s11625-023-01363-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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