研究課題/領域番号 |
22K18111
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
宮崎 友里 立教大学, 観光学部, 助教 (70882398)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 観光政策 / 地方自治体 |
研究実績の概要 |
本研究は、地方自治体の観光政策がどのように形成されるのかを明らかにしようと試みるものである。本研究の初年度である2022年度は、前半期と後半期の2段階に分けて研究を計画的に進めることが出来た。 前半期においては、事例を通してどのような理論的貢献ができるのか、その実現可能性を試験した。この試みは、個人研究としての限界を自覚したため、専門家の意見を求めることが必要だと判断した。この判断に基づき、前半期に集中して研究報告を積み重ねた。具体的には、研究会報告を2度行い、加えて学会報告を1度行った。これら3度の研究報告を通して、観光学と行政学、政治学の専門家から意見を得ることが出来た。まとめると、前半期には口頭報告の実績が計3回あった。 前半期に集中的に得た意見や助言を踏まえて、後半期には本研究テーマの先行研究に位置づけるべき学術書の選定を行った。結果として、主たる先行研究として、政治思想の分野の先行研究を選定した。本研究テーマは観光学に位置づけられるものだが、これまで観光学で取り扱われてきた観光政策に対して、政治思想から理論的示唆を得ることは非常に画期的である。本研究の核となるオリジナリティであり、このオリジナリティを得たことが2022年度の研究活動の最大の成果であると考える。先行研究に位置づけられる学術書を丹念に精読し、そのうえで、本研究に応用可能とするために抽象度を上げて考察を行った。この研究活動は書評の執筆という形で、研究実績となった。2022年度末に紀要にて公表された。この内容を踏まえて、2023年度の研究会報告も予定されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、2022年度は資料収集に主眼を置いた研究活動を行い、2023年度に収集した資料に対して理論的検討を加えたものを学会報告・研究会報告を行うことになっていた。すなわち、2022年度と2023年度に異なる役割を持たせていた。しかしながら、実際は、2022年度は収集した資料に対して理論的検討を加えて学会報告や研究会報告を行った。すなわち2023年度に予定していた作業を前倒しで実施した。 他方で、資料収集を十分に実施しきれなかったことが指摘できる。よって、2023年度にも資料収集の作業を残す状況となっており、継続して行う必要がある。 なお、当初の計画にはなかったが、2022年度には先行研究の書評を執筆して公表するに至った。 全体的にブラッシュアップする必要があるが、おおむね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に十分に実施しきれなかった資料収集を継続する。理論的検討を2022年度に開始し、ある程度の見通しを立てたが、本研究に使用するにはかなりのブラッシュアップが必要である。理論的検討に十分な時間を割く必要がある。また、本研究は個人研究ではあるが、必要に応じて専門家から助言を得る必要があることを自覚しているため、研究会報告や研究助言の機会を設けていきたい。 収集した資料に対して理論的検討を加えたものを、研究ノートあるいは論文として研究成果を投稿できるように今年度内にまとめ作業に入りたい。
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