研究課題/領域番号 |
22K18113
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
大島 安奈 大阪商業大学, 公共学部, 講師 (60863412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | トラベルヘルパー / アクセシブルツーリズム / ユニバーサルツーリズム / 介護旅行 / 就業動機 / キャリア / 介護職従事者 |
研究実績の概要 |
本研究はアクセシブルツーリズムの推進に向け、旅行介助を担う人材である「トラベルヘルパー」に焦点を当てた調査研究であり、担い手の普及に資する知見を得ることを目的としている。具体的には、トラベルヘルパーの就業動機とやりがいを中心にインタビュー調査を行い、担い手の職業観や就業の背景等の様相を探索的に明らかにしていく。 研究初年度である2022年度は、インタビュー調査の準備として、文献調査と予備的考察、インタビューガイドの作成及び、質的データ分析ソフトの動作・操作確認を行った。文献調査においては、トラベルへルパーに関する学術的文献は見受けられないため、特定非営利法人日本トラベルヘルパー協会の公式サイト掲載情報や雑誌記事等の文献を広く収集し、予備的知見を得た。また、トラベルヘルパーが集う場である「トラベルヘルパー勉強会」に参加し、参与観察及びトラベルヘルパーとの接点を持った。 2022年度の調査により、トラベルヘルパー資格取得者層として、介護職従事者や介護経験がある人、介護福祉士、PT、OTが多いことや、特に女性、リタイア後の男性や独立開業した人が熱心に取り組んでいることを把握した。また、病院・介護事業所の兼業として働く人や主婦からトラベルヘルパーになった人もおり、キャリアップや自己実現、社会貢献等の多様な就業動機が見られた。 次年度以降のインタビューでは、今年度得られた知見をふまえ、事例の多様性を確保できるように対象者を選定し、インタビュー調査を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度はインタビュー調査の準備として、文献調査を中心に研究を進めた。当初の予定では2022年度後半からインタビュー調査を開始する予定であったが、インタビュー調査と併行して分析も進めることから、質的データ分析に用いるMAXQDAソフトの動作・操作確認及び、雑誌記事掲載のインタビューの言語データを用い、試行的にコーディング作業を実施した。 2023年度以降は本年度の研究成果ををもとに、トラベルヘルパーを対象にインタビュー調査・分析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究で得られた成果をもとに、2023年度以降はトラベルヘルパー10~15名(事例の多様性の観点で、調査を進めながら確定する)のインタビュー調査を実施する。インタビューデータの逐語録を作成し、MAXQDAソフトによりテキストデータの質的分析を行う。分析結果を比較検討することで、トラベルヘルパーの就業動機ややりがいを中心に、その様相を明らかにし、社会における構造を読み解く。また、アクセシブルツーリズムの推進の視点から研究成果を考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度はインタビュー調査に向けた準備として文献調査を中心に研究を進めたため、インタビュー開始時期に変更が生じた。本年度はインタビュー調査に係る旅費及び謝金の支出はなく、次年度以降のインタビュー調査への繰り越しとする。
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