研究課題/領域番号 |
22K18152
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
福田 悟志 中央大学, 理工学部, 助教 (10817555)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 感情分析 / Twitter / ニュース / 新型コロナウイルス / COVID-19 / ワクチン |
研究実績の概要 |
本年度は,情報が人々の関心や感情にどのように変化を与えるのかという観点から研究を行った.まず,日本における新型コロナウイルスの新規陽性者の発表報道に対する人々の関心および感情の変化を分析した.この分析は,新規陽性者数の発表には,「前日から増加した」「先週より下回った」といった過去の人数との比較を加えた情報が含まれていることが多いことに着目し,新規陽性者数の増加または低下という情報が含まれることによる人々への影響を調べたものである.まず,Yahoo!ニュースがTwitter上に投稿した新規陽性者の発表に関するニュースツイートおよびそれらのツイートに対するリプライツイートを収集した.そして,リプライツイートの数を人々の関心の高さとみなし,リプライツイート数の月ごとの推移を調べた.また,各リプライツイートに対して,「喜び」や「恐れ」など,プルチックの感情の輪で定義される8感情による感情分析を行い,各感情の変化を調べた.分析の結果,新規陽性者の発表に関するすべてのニュースツイートと新規陽性者数の増加に関する情報を含んだニュースツイートの間において,人々の関心および恐れの感情の変化に一定の関係性が見られた.また,新規陽性者数の減少と増加に関する情報を含んだニュースツイートの間では,人々の関心および恐れの変化に一定の相反性が見られた. また,Twitter上に投稿されたワクチンに関するツイートに対して感情分析を行い,コロナ禍における人々のワクチンに関する感情の分析を行った.この分析は,日本を含む6か国を対象に,上記で述べた8感情を持つかどうかの判定・比較を行ったものである.この分析の中で,特定の感情において,同一のニュースの見出しを含むツイートを多くの人々が投稿している場合があることが明らかになり,一部のニュースがワクチンに対する人々の感情に影響を与えている可能性があるといえる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
情報の信頼度も考慮した分析を検討する必要があるものの,情報に対する人々の関心や感情への影響の分析に対する大まかなアプローチが実現できたため,概ね順調に進展したと判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,新型コロナウイルス関連だけでなく,震災,原発,新しく誕生した技術など様々なテーマを対象に分析を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で学会や国際会議がオンラインでの開催となり,航空機代や宿泊費等が不要となった.
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