研究課題
若手研究
肝移植に代わる肝再生医療の実現を目指し、肝細胞と肝臓由来細胞外マトリックス(ECM)を組み合わせたダブルインジェクション法による肝組織構築を検討した。1年目は肝内でゲル化可能なECM基材を開発し、マウス肝内でのゲル形成に成功。2年目は薬剤投与により肝硬変モデルマウスを作製し、同モデルへの肝細胞移植を実施、生着を確認した。3年目は凍結切片により細胞の局在と生着を評価したが、肝小葉様構造の形成には至らず、今後は微小環境の最適化が課題と考えている。
生物化学工学
本研究は、肝細胞と肝臓由来ECMを同時に注入することで、生体内において機能的な肝組織の構築を試みた点で、再生医療分野に新たなアプローチを提示する学術的意義がある。特に、体内でゲル化可能なECM基材の開発や、肝疾患モデル動物に対する応用は、微小環境の設計による組織再構築の実現性を示す重要な成果である。社会的には、深刻なドナー不足に直面している肝移植医療に対し、より低侵襲で適用可能な再生医療技術の確立は、新たな治療選択肢を提供する可能性があり、将来的な臨床応用に向けた大きな一歩となる。