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2022 年度 実施状況報告書

超音波内視鏡による新たな慢性膵炎診断・進行度評価と線維化が及ぼす機能異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K18216
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

山下 泰伸  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90612101)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード慢性膵炎 / 早期診断
研究実績の概要

新たな診断手法であるShear wave法(SW)と従来のStrain法(ST)による慢性膵炎診断(CP)の比較検討を行った。
内・外分泌機能評価、SW、STを行った49例で検討した。STはStrain Ratio(膵実質/胃壁)を用いて半定量化し、SWは剪断波伝播速度を用いた。CP臨床診断基準(JPSC2019)に従い、確診、準確診、早期、正常の4群に分類した。早期、準確診、確診群をCPとした。また、Rosemont criteria(RC)におけるCP診断およびRCにおけるEUS所見数との相関性も比較した。内・外分泌機能障害について、SW、STによる診断能を評価した。
正常、早期 、準確診 、確診 で計測されたSW値(中央値)は1.48、2.20、3.47、3.09であった。正常群に比べ早期(P=0.03)、準確診(P<0.001)、確診群(P<0.001)で有意に絶対値は高かった。一方、STは3.29、2.20、2.02、2.95であり、鑑別は困難であった。SW値においてのみ、RCにおけるEUS所見数と有意な相関性を認めた(P<0.001)。JPSCによるCP診断、RCによるCP診断、内・外分泌機能障害におけるSWのcut-off値は1.83、2.08、2.07、1.96と算出され、その感度は94%、88%、81%、91%で特異度は77%、74%、46%、65%でAUCは0.83、0.85、0.58、0.78であった。STのcut-off値は4.76、2.12、1.29、4.76と算出され、その感度は82%、35%、18%、88%で特異度は40%、83%、88%、47%でAUCは0.53、0.56、0.52、0.61であった。
以上の結果よりSWは従来法のSTに比べて、CP診断、外分泌機能障害診断において優れていることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在のところ、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

1.膵癌・膵嚢胞性病変を含め膵手術が行われた標本を用いて、非腫瘍部での膵線維化評価として、エラスチカ・ワンギーソン染色および膵におけるα-SMAの発現率とShear wave elastographyとの比較を行う予定である。
2.慢性膵炎の進行とサルコペニアとの関りについてもCTによる定量を行う予定である。
3.Detective Flow Imaging を用いた評価については最終の撮影条件を現在設定中であり、決定次第、測定を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度助成金と合算し、引き続きの研究、発表、論文投稿料として使用予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Shear-wave versus strain elastography in endoscopic ultrasound for the diagnosis of chronic pancreatitis2023

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Yasunobu、Yamazaki Hirofumi、Shimokawa Toshio、Kawaji Yuki、Tamumra Takashi、Hatamaru Keiichi、Itonaga Masahiro、Ashida Reiko、Kitano Masayuki
    • 雑誌名

      Pancreatology

      巻: 23 ページ: 35~41

    • DOI

      10.1016/j.pan.2022.11.009

    • 査読あり
  • [学会発表] Shear-wave versus strain elastography in endoscopic ultrasound for the diagnosis of chronic pancreatitis2022

    • 著者名/発表者名
      Yasunobu Yamashita , Hirofumi Yamazaki , Toshio Shimokawa , Yuki Kawaji , Takashi Tamumra , Keiichi Hatamaru , Masahiro Itonaga , Reiko Ashida, Masayuki Kitano
    • 学会等名
      UEGW
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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