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2023 年度 実施状況報告書

免疫療法抵抗性がんの克服に向けた抗腫瘍免疫誘導マイクロバブルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K18219
研究機関帝京大学

研究代表者

宗像 理紗  帝京大学, 薬学部, 助教 (90879694)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードがん免疫療法 / 超音波 / マイクロバブル / CpG
研究実績の概要

今年度は、効果的な免疫応答の誘導を目的として、免疫賦活化物質のマイクロバブルへの搭載を試みた。免疫賦活化能を有する糖脂質をマイクロバブルに搭載し、物性評価を行った。糖脂質の含有量が異なるマイクロバブルを作製し、超音波造影装置にて PBS 中におけるマイクロバブルの造影時間を、造影輝度を指標に評価した。その結果、糖脂質の含有量に応じて、造影時間が短くなることが明らかとなった。このことから、糖脂質の含有量増加はマイクロバブルの安定性に影響を及ぼすことが示唆された。この検討をもとに、糖脂質の含有量を決定し、マウスメラノーマ異所移植モデルでの抗腫瘍効果を評価した。マウス後背部にメラノーマ細胞株を皮内移植した担がんマウスを作成した。糖脂質搭載マイクロバブルを投与し、腫瘍局所へ超音波照射した。腫瘍体積を指標に抗腫瘍効果を評価したところ、糖脂質投与群、糖脂質マイクロバブル投与群と比較して、糖脂質マイクロバブル投与後、超音波照射した群で腫瘍の増殖抑制が確認された。このことから、免疫賦活化物質をマイクロバブルに搭載し、超音波照射することで、腫瘍局所での効果的な抗腫瘍免疫が誘導されたものと推察された。以上より、本研究において、免疫賦活化物質をマイクロバブルに搭載することの有用性が見出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マイクロバブルに免疫賦活化物質を搭載した製剤の開発に成功した。また、このマイクロバブルと超音波の治療により、マウスメラノーマに対する抗腫瘍効果を見出した。このことから、免疫賦活化物質をマイクロバブルに搭載する有用性が示された。

今後の研究の推進方策

今年度は、免疫賦活化物質である糖脂質を搭載したマイクロバブルを開発し、物性評価を行った。糖脂質の含有量を決定し、マウスメラノーマに対する抗腫瘍効果を見出した。そのため、今後はこのマイクロバブルの抗腫瘍効果による腫瘍内免疫環境について解析する。また、他のがん種への抗腫瘍効果を評価や、異なる免疫賦活化物質を搭載したマイクロバブルを開発し、物性評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

免疫賦活化物質を搭載したマイクロバブルの開発に成功した。そこでこのマイクロバブルの抗腫瘍効果の評価を推進した。これにより、実験計画に変更が生じた。本年度は、このマイクロバブルの評価を続行するとともに、他の免疫賦活化物質や CpG 核酸搭載マイクロバブルを作製し、物性評価や治療効果を評価する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 免疫細胞浸潤性の低い腫瘍(Cold tumor)に対するマイクロバブルと超音波を利用したがん免疫療法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      宗像理紗、青枝大貴、小山正平、小俣大樹、 岡田欣晃、吉岡靖雄、鈴木 亮
    • 学会等名
      日本薬剤学会第38年会
  • [学会発表] Cold tumor の抗腫瘍免疫誘導に向けたCpG 核酸搭載脂質ナノ粒子と超音波照射下マイクロバブルによる併用療法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      宗像理紗、小俣大樹、小山正平、青枝大貴、鈴木 亮
    • 学会等名
      遺伝子・デリバリー研究会 第21回夏期セミナー

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公開日: 2024-12-25  

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