研究課題/領域番号 |
22K18247
|
研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐藤 貴紀 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (60840759)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | ソフトセンシングアクチュエータ / ワイヤメッシュ回路 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、次世代のロボット素材としてソフトセンシングアクチュエータに着目し、センサやモーター等大量の機械的部品から構成されるロボットの触覚・運動機能を、柔軟・軽量なシート材に付与する手法を提案する。現状のソフトセンシングアクチュエータにはシート面上を空間分解した計測・制御手法が存在しないため、ワイヤメッシュ回路と深層学習を融合することでシート材に空間分解能を持つ触覚・運動機能を付与するシステムの開発が本研究の目的である。機能付与システムを確立することで、これまでにはない柔軟・軽量な布状ロボットを実現でき、ブレイン・コンピュータ・インターフェースやアシストスーツ等の人間拡張技術の推進へ大きく貢献することが期待できる。 本年度は、ソフトセンシングアクチュエータのセンシング (触覚) 機能に着目し、電極構造を工夫することでシート面上の刺激部位に応じた空間分解計測が可能か、またシート面への刺激に対する出力応答特性について検討する実験を行った。電極構造については、10cm角のシート材に対して全面電極 (従来の電極構造) と1×1のワイヤメッシュ電極とで、刺激部位に応じた電位差計測を行った。また、刺激条件として、シートの形状変化を伴う場合と伴わない場合とで出力応答特性の検討を行っている。結果として、特にシートの形状変化を伴う刺激に対して電位差出力の変化を観測できたが、刺激に対する出力変化の再現性が低いため、実験結果の妥当性について引き続き検証を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計測結果の再現性が低いため、実験環境・条件の確立に時間を要している。ワイヤメッシュ回路による空間分解計測の可能性については、導電性ゴムシートに対する予備実験により確認できている。計測対象をソフトセンシングアクチュエータへ変更したことによる素材特性の違い (雑音、信号レベル等) について、理論・実験の両面から検討を進め、実験環境・条件の調整を進めていく。
|
今後の研究の推進方策 |
ソフトセンシングアクチュエータに適した実験環境・条件の検討を進める。また、実験環境・条件の確立後、ワイヤメッシュ回路のチャネル数を変えながら出力応答特性の変化について検討を進め、深層学習のためのデータを蓄積する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定では、計測に必要な実験装置 (マルチチャネル電圧計測器、実験用PC) の購入費用を計上していたが、実験条件の確立に時間を要しているため本年度の支出を見送った。 これらは当初の予定通り、次年度以降の実験環境構築に使用予定である。
|