研究課題
今年度の主な研究実績は次の点に要約できる。(1)ボツワナ現地におけるグイ語話者3人の協力者を選定し、彼らのスマホに、本プロジェクトが開発したグイ語正書法キーボードアプリGuiKeyのインストールをした。(2)彼らとの間でWhatsAppを使ったテキスト送信と音声メッセージ送信による正書法実習の準備を開始した。(3)グループ|Gui-||Gana writersを開設した。(4)日本滞在中のグイ語とガナ語(ギョム方言)話者を対象に、集中的な正書法習得のための集中ワークショップを実施し、継続中。(5)このワークショップの過程で、グイ語とガナ語の両言語に適用可能な正書法バージョンを開発した。(6)試運転中の正書法教材であるツイッターボット、Spellinguiのコンテンツを新しいバージョンの正書法に刷新した。(7)現在編纂中のグイ語辞書(項目数3000強)のすべての見出しに、新しい正書法による表記を加え、正書法インデクスを付け加えた。(8)次の正書法教材を作成した:(i)90子音および10母音、6声調メロディーの綴り分けを解説する音節・基礎語・固有名詞・例文・童歌によるオンライン冊子(20ページ)、(ii)6つのフォークロアの朗読用正書法教材(14ページ)、(iii)グイ・ガナの伝統的生活の写真や動画を描写する正書法による文章を母語話者と共同作成した(50ページ)。(iv)接辞・接語・不変化詞の文法的要素の正書法表示によるリストを作成した。以上に加えて、京都大学ASAFAS高田明研究室との共同作業で、ひとつの物語をもちいた「紙芝居」の制作を進行中。
2: おおむね順調に進展している
コロナ感染予防のため初年度の現地調査は控えたが、国内に滞在中のグイ語話者とガナ語話者の協力を得て、グイ・ガナ両言語に適用できる汎用性の高い正書法改訂版を作成し、さらに、音節、語彙、テキスト、による正書法教材を開発することができた。
コロナウイルス感染症の5類への変更を踏まえて、現地への出張を実施すると同時に、国内滞在中の母語話者との面談によるグイ・ガナ両言語の識字インフラの開発を進める。
当初計画していた研究代表者と研究協力者の現地調査のための出張が、パンデミックのために実施できず、次年度使用額が生じた。コロナウイルス感染症の5類への変更を踏まえて、今後は現地調査のための出張を実施する。また、当該年度に試みた、国内滞在中の母語話者の協力を得て行う調査及び正書法教材などの識字インフラ開発を継続的に続ける。
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Linguistic Typology
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10.1515/LINGTY-2022-0047