研究課題/領域番号 |
22K18252
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
金田 明大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (20290934)
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研究分担者 |
村田 泰輔 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究員 (00741109)
山口 欧志 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50508364)
上椙 英之 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50600409)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2027-03-31
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キーワード | XR / MR / AR / VR / 考古学 / 遠隔連携 / 調査支援 |
研究実績の概要 |
本年度は研究初年度として、現状の問題について整理をおこない、遠隔支援に向けた作業の現状を記録や現場での見学を含めて検討した。遠隔からの支援が必要な作業としては、経験が浅い担当者向けの発掘調査全般に関する対話や指示、経験に関わらず必要な支援として地質の認識とサンプル取得、環境考古学や理化学的分析のためのサンプル取得。写真撮影時の条件設定や撮影方向の検討といった点があげられる。 現状ではフルスペックに近い状況であるMRと5G回線を利用することで試験をおこなっているが、実用化して社会に実装する上では、高額な機器をそのまま提案しても実際の利用対象者として想定している自治体などの職員に対しては普及に繋がらないため、大手通信企業や関連機器を開発しているメーカーとの打ち合わせなどを通じてコストに応じた提案が可能な形で複数のモデルを検討している。作業の多くは支持と注目範囲の図示が必要となるが、この内容であれば多くがARによる指示で必要を満たすと考え、軽量で簡便な機器を導入して検討をおこなっている。 機器の試験については現状では研究機関内でおこなっており、実際に現場において検討することは少ない状況である。運用方法にある程度習熟した来年度には実際の発掘調査現場において検討を進めたい。 また、センサーなどを活用した調査支援についても来年度から可視光や赤外・紫外線領域の分析による地層の分離などを進めるため、使用が可能な機器について検討をおこない撮像試験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度で基礎的な事項および利用可能な機材の検討と個別要素の試験を実施することができており、現状予定通りに進行している。しかし、翌年度以降光熱費の高騰による研究組織の費用削減などで試験の場である調査が制限されるなどの危険性もある。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として以下の点を進めたい。 1)検討した要素を組み合わせた支援システムの構築 2)構築したシステムの運用試験 3)実際の発掘調査担当者と専門家との接続およひ作業。 特に3)については当方だけでなく、発掘調査現場の担当者および現場作業時のタイミングを打ち合わせて決定したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
導入予定の海外製機材(調査補助治具)が品薄状態で調達できず、本年度に選定を含めて検討の必要があったため、次年度に繰り越すこととした。
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