研究課題/領域番号 |
22K18255
|
研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
指宿 信 成城大学, 法学部, 教授 (70211753)
|
研究分担者 |
小西 葉子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 助教 (00876708)
丸橋 透 明治大学, 法学部, 専任教授 (10824261)
板倉 陽一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 客員主管研究員 (20815295)
尾崎 愛美 杏林大学, 総合政策学部, 講師 (40805230)
横田 明美 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (60713469)
石井 由梨佳 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (80582890)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2027-03-31
|
キーワード | データ / 個人情報 / 越境捜索 / GDPR / プライバシー / 管轄 / サイバー法 |
研究実績の概要 |
初年度である2022年度は大きく三つの活動を展開した。第1は、研究グループによる研究アイディアをめぐる「ブレインストーミング」(オンライン・ブレスト)の定期的開催である。第2は、データ越境問題をめぐるこれまでの研究グループの研究活動の成果を書籍化する「出版プロジェクト」に向けた準備、執筆活動である。第3は、「国際学術交流」である。以下、説明する。 <第1 研究チームの研究動機・研究方法論の展開> オンライン・ブレストは合計4回開催し、本研究チームの問題意識をさらに高度化させ、個々の方法論の展開や他の構成員の研究内容の理解と共有を目指した。 <第2 出版プロジェクトの展開> 出版社との企画会議を経て出版社との出版契約の締結にこぎ着け、本プロジェクトの分担者を含めて20名ほどの内外の研究者による原稿を集約し、研究代表者が草稿のチェックを行うとともに、座談会を実施してデータ越境・越境データをめぐる法状況とその研究内容を書籍化する意図、狙いを文字化する準備を進めた。 <第3 国際学術交流の展開> 2022年10月に韓国・高麗大学校の研究チームと、2023年2月に韓国・成均館大学校の研究チームと、それぞれ東京都内において学術交流を実施することができた。前者では国連におけるサイバー犯罪対策並びに韓国におけるサイバー犯罪対策をめぐって、後者では、電子的証拠の収集確保、オンライン捜索をめぐって、本研究チームと先方から報告者やコメンテータを出して討議を行なった。前者では主として国際公法や国際条約等のグローバルな観点から議論が行われ、後者では主としてサイバー法や刑事訴訟法の観点から議論が行われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度中に実施した上記の3つの活動内容に現れているように、1)萌芽的なアイディアをグループ内の研究者同士で議論や意見交換を進めることができたこと、2)グループ外の海外研究者とも問題意識を共有しつつ、グローバルな、また比較法的な観点から議論し合う機会を十分に持つことができたこと、3)幸運にも本プロジェクト参加者(研究分担者)を中心として、研究代表者が編者となって越境データとデータ越境をめぐって既存の法解釈論に対して挑戦的な内容となる書籍を刊行する目処がついたこと、がその理由である。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度の成果を生かすため、第2の「出版プロジェクト」の計画を進めて2023年度中には刊行、出版物を基にした研究集会の開催を国内学会(情報ネットワーク法学会 2023年12月 明治大学開催)で実施すると共に、国際研究集会を韓国で開催する予定である(韓国ソウル市2023年11月中旬)。 また、コロナ禍で海外学会や海外調査を展開できていなかったことから、各研究分担者においては積極的に海外での活動を進めていく。欧州や米国での訪問調査や学会、多国間政府機関会議などを予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、米国、欧州、豪州などへの計画していた調査旅行や海外学会への参加が困難になったため。 2023年度はそうした事情が変化していることから実施可能の見通しである。
|