研究課題/領域番号 |
22K18258
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田宮 菜奈子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20236748)
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研究分担者 |
杉山 雄大 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (20725668)
石川 智子 (伊藤智子) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70709683)
森山 葉子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (10642457)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 家族 / 健康 / データサイエンス / データリンケージ |
研究実績の概要 |
現代の健康問題を扱う上で家族背景は極めて重要な要因であり、同時に健康問題が家族に与える影響は大きい。一方で、我が国では家族においても健康においても年々様々な変化が生じており、これまでの家族、健康に関する知見では対応できない現状そして未来がある。 本研究では、家族×健康の包括的データを収集し、昨今の家族×健康の問題の検証を行う。 (1)家族×健康の包括的データの収集 公的統計(国民生活基礎調査、国民健康・栄養調査、歯科疾患実態調査、中高年者縦断調査、21世紀新生児縦断調査)、JMDC Claims Database、及び茨城県つくば市の公的データを収集する。既に、つくば市の公的データについては受領済みで、利用可能な状態である。公的統計については厚生労働省に統計法33条に基づく申出の相談中、JMDC Claims Databaseについては株式会社JMDCと購入の詳細について相談中である。 (2)家族×健康の包括的データの分析 (1)で収集したデータを分析し、学術的知見を創出するとともに、方法論を公表して、今後のさらなる研究につなげていく。データはそれぞれ単独で分析するとともに、国民生活基礎調査・国民健康・栄養調査・歯科疾患実態調査については個人単位で連結しての分析も行う。現在、分析に向けて、筑波大学医の倫理委員会の審査中で、近々承認される見込みである。また、先行研究をレビューし、今後の分析案の検討も行った。例えば、親の糖尿病治療歴と子の発症リスクの関連、ヤングケアラーやダブルケアなどの家族介護負担、家族介護のポジティブな側面としての介護肯定感、コロナ禍の家族と健康への影響、さらに女性の自殺増加の原因としての育児の実態・負担・健康の在り方などを検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
おおむね順調に進展している。 (1)家族×健康の包括的データの収集 令和4年度~5年度において、家族×健康のデータを収集する予定であったところ、既に茨城県つくば市の公的データを収集済みであり、また公的統計、JMDC Claims Databaseについても、収集に向けて順調に進めている。 (2)家族×健康の包括的データの分析 令和5年度~7年度において家族×健康の複合的問題に関する分析を行うとしているところ、既に複数の具体的な分析案を作成済みであり、近々倫理審査も承認される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
(1)家族×健康の包括的データの収集 令和4年度中に、公的統計(国民生活基礎調査、国民健康・栄養調査、歯科疾患実態調査、中高年者縦断調査、21世紀新生児縦断調査)、JMDC Claims Databaseについて、分析可能な状態とすることを目指す。 (2)家族×健康の包括的データの分析 筑波大学医の倫理委員会において承認された後、まずはつくば市の公的データから分析を開始する。さらに、公的統計、JMDC Claims Databaseについても、(1)で利用可能な状態となった後に分析を開始し、学術的知見を創出していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究はデータ収集とデータ分析からなり、ワークステーション、ストレージ、ソフトウェアが必要であるため「設備備品費」として計上していたが、それらについては、他の研究課題の分析をしていない時間に共有で使用することとしたため、購入不要となった。 任用を計画していた研究員については、別の体制で研究に携われる状況となり、令和4年度は人件費が不要であった。 令和4年度未使用額は、次年度令和5年度の研究担当教員の任用及び交付申請時から使用する計画としたJMDC Claims Databaseの購入費用に使用する予定である。
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