研究課題
挑戦的研究(開拓)
超重元素であるローレンシウムとラザホージウムの化学反応による相対論的効果および周期律の破れを明らかにしようとするプロジェクトである。実験は、超重元素イオン源から質量分離により高純度イオンビーム生成し、重元素イオン源とイオントラップによる気体分子反応検出、ディフレクターとリフレクターをへて検出器という構成となっている。
超重元素化合物は、ラザホージウムではある程度解明されているが、寿命の短いローレンシウムでは一般的に困難と見られる。しかしここでは、化学反応速度に着目し、その速度の相対論的効果を解析することを目標にするという挑戦的研究である。周期律の破れや相対論的効果の解析には、化学反応における電子トラップの過程など理論的解析が難しい部分はあると思うが、まずは重元素化学反応自体が少ない現状で本研究の価値は高い。