研究課題/領域番号 |
22K18313
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松村 幸彦 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80251370)
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研究分担者 |
井上 修平 近畿大学, 工学部, 教授 (60379899)
張 孟莉 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (10980302)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | バイオマス / 超臨界水ガス化 / カーボンナノチューブ / 触媒 |
研究実績の概要 |
2023年度には、直接通電加熱と誘導加熱の2通りの方法を検討し、その特性を明らかにする作業を行った。直接通電加熱は、電流を反応器に直接流すことによってジュール発熱を発生させ、この熱で流水を加熱するものであり、従来の加熱炉に比べてその容積を大きく削減できると共に、加熱効率を大幅に向上することができる。実験装置としての可能性を計算し、伝熱計算を行ったが、反応器に直接電気を流す方式では必要な反応器の規模が大きくなりすぎることが確認出来たため、反応器内にジュール発熱をする抵抗線を入れ、これに通電して加熱する仕組みを考案、抵抗線の耐熱温度を考慮して装置の設計と製作を行った。しかしながら、沸騰流で観察されるドライアウトに相当する現象が確認され、十分な高温を得るに至っていない。この系についての伝熱特性が十分に既往の研究で確認されていないために、基本的な伝熱特性を実験的に確認し、最適条件につなげることを進めている。誘導加熱はステンレス反応器の周囲にコイルを設置して高周波電流を流し、誘導電流で反応器壁内に渦電流を生成させて内部の水を効率良く加熱するもので、やはり従来の加熱炉に比べて小容積かつ高効率のシステムを実現できる。こちらについては加熱特性を確認し、所定の温度圧力において必要な水量だけでは加熱中に完全な蒸発がおきてしまい目的とする水熱加熱ができないこと、昇温速度は反応器の熱容量にほぼ左右されることを確認、水を満たした状態から加熱して、膨張分を背圧弁から排出する仕組みの反応器を組み立てた。しかしながら、水の膨張に伴って有機物も排出されてしまい、十分なガス化が実現されるに至っていない。また、反応器が短いと、接続に用いる継手のナット部分で発熱が起きてしまい、十分な加熱が行われないことも確認された。より長い管部分を有する反応器を作成し、加熱特性を確認することを進めている。触媒の開発も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
直接通電加熱については計算上十分に早い加熱が実現できることを確認しており、実験的に装置を組み立てる上での工夫を行うだけの状況である。また、誘導加熱についても実験的に想定した昇温速度が実現できており、原料有機物が流出しない装置状の工夫を行えば良いだけである。一方、触媒については、カーボンナノチューブにルテニウム触媒を担持することで従来にない高効率な触媒を実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
直接通電加熱については、伝熱特性を確認して計算上のパラメータを変更し、これに基づいて最適な加熱条件を設計、装置を作成してコンパクトな加熱を実現する。誘導加熱については、十分に長い反応器を用いて加熱を行い、有機物が膨張する水によって流出しない形としてガス化を実現する。このガス化に用いることのできる触媒は作成できており、これを用いたガス化を達成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
検討を進めているが、直接通電加熱と誘導加熱のどちらも可能性が高く、甲乙付けがたい状況にある。最終的な装置購入に向けて、さらに検討を進める必要があり、一部の予算を繰り越す形としている。
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