研究課題/領域番号 |
22K18347
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤本 龍 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (60620375)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2028-03-31
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キーワード | 近交弱勢 / アブラナ科 / エピジェネティクス / DNAメチル化 |
研究実績の概要 |
植物、特に他殖性植物では自殖を繰り返すと、個体の繁殖力と生存率が低下する近交弱勢が生じる。近交弱勢は、長年育成してきた系統の喪失を引き起こし、育種現場で問題となっているが、近交弱勢についての知見は少なく、その遺伝様式すら明らかとなっていない。そこで、本研究では、他殖性植物のハクサイを用いて近交弱勢を示す個体を単離し、近交弱勢の遺伝様式を解明することを目的とする。 ハクサイ市販品種W77のF2集団を用いたQTL解析から収量に関わるQTLsを同定しており、多くのQTLは優性/顕性を示した。5つのQTLについて、全て顕性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統と全て劣性/潜性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統を作出した。 顕性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統と潜性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統の自殖後代を圃場で栽培し、結球重、球高、球径を調べた。想定通り、顕性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統の方が、潜性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統に比べて結球重が高い値を示した。圃場で栽培した個体の中から、次世代を得るための個体を選抜し、採種を実施している。また、顕性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統と潜性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統について、GRAS-Diにより遺伝子型判定を実施した。多くの遺伝子座において遺伝的に固定されていることが明らかとなった。 顕性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統と潜性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統について、2種類の生育ステージ (圃場に移植後40日と60日)の葉から抽出したDNAを用いて、全ゲノムDNAメチル化解析のためのシークエンスの取得まで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、顕性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統と潜性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統の形質評価、遺伝子型判定、全ゲノムメチル化解析を実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
顕性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統と潜性の遺伝子座をホモ接合型に固定した系統の自殖後代について、前年度同様、形質評価を実施し、2023年度のサンプルを用いた全ゲノムメチル化解析を実施する。また、2022年度のサンプルを用いた全ゲノムメチル化解析を継続して行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助員に最適の人材を見つけるのに時間を要したことと、WGBSとGRAS-Diにかかるコストが当初の想定より安かったため。
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