研究課題/領域番号 |
22K18352
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤澤 和謙 京都大学, 農学研究科, 教授 (30510218)
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研究分担者 |
西村 伸一 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (30198501)
山本 清仁 岩手大学, 農学部, 准教授 (60362430)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 物理探査 / 逆解析 / ベイズ推定 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は,弾性波探査や電気探査に代表される物理探査において,従来の決定論的なインバージョンだけでなく,確率的なインバージョンを行うことのできるハイブリッドインバージョンを実装することにある。これにより,決定論に基づく一つの推定結果だけでなく,確率的な推定結果を新規に得ることで,推定結果の不確かさを評価できる物理探査を実現できる。物理探査は面的(または立体的)な情報を提供できるものの,その推定結果には不確かさが付きまとい,十分な精度を有するとは言えない。この欠点を補うものが負亜確かさの定量的な評価であり,確率的なインバージョンを行うことで可能となる。当該年度は,設備備品として新規に表面波探査装置を購入し,ため池堤体において表面波探査,電気探査を実施することができた。また,そこで得た探査データを用いたインバージョンを実施しており,従来の決定論的なインバージョン(逆解析)に加えて,アンサンブルカルマンフィルタを利用した逆解析法,ハミルトニアンモンテカルロ法を適用した逆解析法を開発した。現在では,このような手法をさらに発展させ,例えばコーン貫入試験やボーリングデータ等の直接的な測定データを逆解析に反映させることにも先進的に挑戦している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は主に電気探査について確率的なインバージョンを行うことを予定していたが,電気探査だけでなく表面波探査を実施し,それらのインバージョンを進めることができた。計画よりも順調に進んでいるが,インバージョンの細かい点については完成度を高める必要があるため,研究進度としては予定通りと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,確率的なインバージョンの細部を改善することが必要であり,改善に伴い実際のデータにインバージョンを適用する。また,探査データについては収集を重ねる。確率的なインバージョンの重要性は増しており,汎用性のあるアウトプットを提供することも模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費が予定した支出額よりも少なくなったことが理由である。次年度は,実験と解析の両方において研究員を雇用するため,計画通りの支出が見込まれる。
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