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2022 年度 実施状況報告書

ヒトの高齢出産で高い出生率を実現するための橋渡し研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K18367
研究機関自治医科大学

研究代表者

本多 新  自治医科大学, 医学部, 教授 (10373367)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2028-03-31
キーワード高齢出産 / 不妊症 / 卵子 / 体外受精
研究実績の概要

マウスとラットで新規に見いだされた新しい不妊現象、Hidden Degradation of Viable oocytes(HDV)は、母体を二酸化炭素に暴露して安楽死処置をすることが原因で生じる。わずか2分間の暴露で、その直前まで正常だった卵管内未受精卵子のインテグリティが消失する。その結果、受精後最初の卵割時に雌性前核の多核化に伴う不等分裂が生じ、胚の異数性に至り、その胚は流産してしまうものである。もともとラットの体外受精が再現しにくい理由を探索する過程で見いだした現象であったが、これが雌の加齢における不妊症の原因であることを突き止め、薬剤処理によりその不妊症を回復し、加齢ラットの卵子から若齢ラットの卵子と同様の出生率に改善することに成功した。令和4年度は加齢ラット卵子に生じる異数性について、single cell whole genome解析を行い、実際に二細胞期胚の割球ごとに異数性が生じる割合を解析した。また、そのような卵子を薬剤処理することにより実際に二細胞期胚における不等分裂が改善され、その結果2細胞期胚各割球における異数性も改善されることを確認した。現在論文投稿中である。またこのような加齢卵子の受精能回復方法について、国際特許出願にも至っている。薬剤処理により加齢卵子から若齢卵子と同様の出生率で産仔が得られることを見いだしたが、今後はそのようにして生じる胚の催奇形性や生まれる産仔の正常性(特に妊孕性)について評価する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始当時は加齢ラットにおける不妊症とその回復を成功させていた段階であったが、そこから実際に、加齢卵子では異数性が高頻度で発生すること、そして薬剤処理により実際に異数性が回復することを見いだし、論文としてまとめ現在投稿中である。またこのような加齢卵子の受精能回復方法について、国際特許出願にも至っている。概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

薬剤処理により加齢卵子から若齢卵子と同様の出生率で産仔が得られることを見いだしたが、そのようにして生じる胚の催奇形性や生まれる産仔の正常性(特に妊孕性)について評価する。

次年度使用額が生じた理由

加齢卵子由来各割球におけるsingle cell whole genome解析について、加齢の影響で予想していた卵子数が採取できなかったこと、および加齢個体の飼育経費が予想以上に少なく済んだことにより次年度以降の執行とすることにした。引き続き加齢個体の飼育とそこから得られる産仔、および卵子のsingle cell whole genome解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] A Simple and Efficient Method for Generating KO Rats Using In Vitro Fertilized Oocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Kohtaro Morita, Arata Honda, Masahide Asano
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology

      巻: 2637 ページ: 233-246

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-3016-7_18

  • [雑誌論文] Gene Targeting in Rabbits: Single-Step Generation of Knockout Rabbits by Microinjection of CRISPR/Cas9 Plasmids2023

    • 著者名/発表者名
      Arata Honda
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology

      巻: 2637 ページ: 255-267

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-3016-7_20

  • [雑誌論文] Scheduled simple production method of pseudopregnant female mice for embryo transfer using the luteinizing hormone-releasing hormone agonist2022

    • 著者名/発表者名
      Gema Puspa Sari, Patrick Louis Lagman Hilario, Shunsuke Yuri 1, Arata Honda, Ayako Isotani
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 21985

    • DOI

      10.1038/s41598-022-26425-2

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 絶滅危惧種を知るために精子と卵子をつくりだす2022

    • 著者名/発表者名
      本多 新
    • 学会等名
      第115回日本繁殖生物学会
    • 招待講演
  • [産業財産権] 不等分裂抑制剤、染色体異数性抑制剤、培地、体外受精培地、細胞処理キット、不等分裂抑制方法、体外受精方法、移植方法、不妊治療方法、及び産仔取得方法2022

    • 発明者名
      本多 新
    • 権利者名
      自治医科大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2022/044127
    • 外国

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公開日: 2023-12-25  

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