研究課題
挑戦的研究(開拓)
生きた細胞そのものを用いてNMR解析を行うin cell NMR技術は、細胞内での蛋白質の挙動を解析する方法として開発され、多くの新規情報を提供してきた。本研究は、in cell NMR技術を細胞内における創薬標的(蛋白質など)と薬剤候補分子との原子レベルでの相互作用解析、細胞内の創薬標的に対する候補分子の結合・解離・代謝のリアルタイム観測、を同時に可能にする新たな技術を開発することである。
本研究目的を達成することで、細胞内で薬剤候補分子の構造最適化、特異性評価、動態解析などが可能になり、創薬科学や創薬の方法に革新的な変化をもたらす。また、細胞という夾雑な環境の中で、蛋白質が他の分子とどのように相互作用し、機能するのかを明らかにできる。これらの成果は学術的意義がある。「NMR細胞内創薬技術」の開発は、創薬の前臨床試験において、信頼性の高いバリデーション手法となることが期待される。