研究課題
研究代表者はこれまでに、間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell: MSC)あるいはMSCとほぼ同等の分化能を有するとされる血管周囲線維芽細胞(perivascular fibroblast: PVF)の特異的なマーカーとしてMeflin分子を同定した。本研究の目的は、MSC/PVFの未分化性を誘導する新規手法の開発をすすめ(目的1)、線維化疾患モデルマウスを用いてその意義と分子メカニズムを検証すること(目的2)である。本年度は下記の実験を行い、下記の結果を得た。1)ゲノム編集の手法を用いてMeflinのC末端にHiBiTペプチドタグをノックインしたMSC細胞株を作成した。本細胞の培養上清中に分泌されたMeflin-HiBiTが、NanoLucルシフェラーゼ断片(LgBiT)の添加による化学発光で検出可能であることを確認した。市販のエピジェネティクス関連化合物と幹細胞自己複製・初期化関連の化合物のライブラリーを購入し(それぞれ438種および259種のコンパウンドを含有)、上記細胞株を用いてスクリーニングを実施した。その結果、ある特定の比率でNanoLucの発光活性を上昇させる化合物として6種類を同定した。2) 研究目的2で使用予定の線維化疾患モデルマウスのひとつとして、炎症性腸疾患モデルの確立を目指した。デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性腸炎モデルの作成を安定して実施するための予備的実験を複数回行った。また共同研究者からIL-10欠損マウスの供与を受け、これをMeflin欠損マウスと掛け合わせる作業を終えた。
2: おおむね順調に進展している
当初予定されていた化合物ライブラリーのスクリーニングを一通り終了し、その結果、候補化合物を6種類同定した。また化合物を同定後にその効果を検証する各種マウスモデルの確立も終えた。
当初の予定通りにすすめる予定である。今後は得られた候補化合物からの絞り込みの行程に移行し、さらには別のアプローチからMeflinの発現を上昇させるコンパンドの同定もすすめる予定である。最終的に選定されたコンパウンドの性質および特性により、その効果を検証する動物実験モデル系を選定する予定である。
今年度は化合物ライブラリースクリーニングに要した研究費が予定よりも少額で実施できたこと、および購入予定であった遺伝子改変動物を共同研究者より入手できたこと等により次年度使用額が生じた。次年度は、別の戦略による化合物の探索も予定しており、そのために当該助成金を使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
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