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2022 年度 実施状況報告書

細胞種特異的老化モデル創出による老化細胞除去機構の解明と抗フレイル戦略の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 22K18402
研究機関松本歯科大学

研究代表者

小林 泰浩  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20264252)

研究分担者 石田 昌義  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (50643251)
溝口 利英  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90329475)
中道 裕子  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (20350829)
岩本 莉奈  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20907216)
上原 俊介  松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90434480)
村上 康平  岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (60791837)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2026-03-31
キーワード細胞老化 / 骨芽細胞 / p16
研究実績の概要

1.老化細胞除去機構の解明:老化細胞をラベルため、p16CreERT2-tdTomatoマウスにタモキシフェンを投与し、2週間後の骨組織を解析した。8週齢に比べて、1年齢マウスでは、顕著にp16陽性老化細胞が増加した。
2.細胞種特異的老化マウスの確立: 間葉細胞において細胞老化を誘導するために、p16を強制発現したところ、細胞老化を誘導した。そこで、マウスに投与するために、アデノ随伴ウィルスAAV9-p16を大量調整し、精製した。精製したAAV9-p16による老化誘導をin vitroで確認している。細胞種特異的にp16を発現するトランスジェニックマウスを作製中である。
3.老化細胞によるWntシグナル抑制機構の解明: 継代を繰り返し、間葉細胞であるST2細胞に細胞老化を誘導すると、老化ST2細胞はWnt阻害因子であるDkk-1を発現することを見出している。細胞老化に細胞内のDNA感知システムであるcGAS-STING分子が重要であることから、老化ST2細胞においてsiRNAを用いてcGASをノックダウンした。p16の発現は低下したものの、Dkk1の発現は低下しなかった。つまり、老化細胞においてDkk1の発現はcGASを介さない可能性が示唆された。
4.血管内皮細胞特異的RANKcKOマウスの解析:RANKCreマウスを用いて系譜解析の結果、加齢伴い血管内皮細胞でRANKが発現することを見出した。そこで、血管VE-Cdh-Creを用いて血管内皮細胞特異的RANKcKOマウスを作出した。32週齢のcKOマウスでは、コントロールに比べて骨髄内の老化細胞が減少していることが観察された。この結果は、血管内細胞に発現するRANKが骨髄細胞の老化に寄与する可能性を示唆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

以前の報告と同様にp16の強制発現により細胞老化が誘導できることを確認した。AAV9-p16を大量に精製し、in vitroの実験で感染と老化誘導を確認し次第、いつでも生体に投与可能である。細胞種特異的にp16を発現するTgマウスを作製している。

今後の研究の推進方策

細胞種特異的にp16を発現するトランスジェニックマウスを作出後、直ちに血管内皮細胞、骨髄間葉細胞およびマクロファージそれぞれに特異的なCreと交配し、それぞれの細胞種特異的に細胞老化を誘導する。これらのマウスの骨表現形を解析する,また、RANKcKOで減少した老化細胞の細胞種を明らかにする。細胞培養実験では、老化細胞によるDkk1の発現機構について、さらなる解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

細胞種特異的にp16を発現するトランスジェニックマウスの作製において、インジェクションするベクターの精製に手間取り、年度内にトランスジェニックマウスの作出が終了しなかったことが、未使用額が生じた大きな要因である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 血管内皮細胞RANKは加齢性骨喪失に寄与する2023

    • 著者名/発表者名
      岩本 莉奈、高橋拓実、石田昌義、小林泰浩
    • 学会等名
      第7回骨免疫学会Winter School
  • [学会発表] 老化間葉系幹細胞はDkk1を分泌し骨芽細胞分化を抑制する2023

    • 著者名/発表者名
      石田昌義、岩本莉奈、宇田川信之、小林泰浩
    • 学会等名
      第7回骨免疫学会Winter School
  • [学会発表] 骨の恒常性に迫る 破骨細胞前駆細胞研究の歴史と最前線2022

    • 著者名/発表者名
      小林泰浩
    • 学会等名
      第40回日本骨代謝学会学術集会 シンポジウム3
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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